今回ご紹介する「Bar Romane」は、シカゴを中心に全米各地に話題のレストランを次々とプロデュースしているLettuce Entertain You Enterprisesが2018年にオープンしたタパス料理(スペインの居酒屋メニュー）とワインバーのお店です。グループ初のワインバーということもあって、こちらのお店では選び抜いた100種類以上のワインを提供しているのがポイントです。80席程のお店は天井から様々な種類のランプが吊されていたり、壁に様々なジャンルの絵画がかけられていたりと、ノスタルジックでありながらも近未来的な空間になっていて、壁一面に並べられたワインボトルが「これぞワインバー」といった雰囲気をつくり出しています。

タパス・メニューはそれほど種類が多いわけではありませんが、厳選した品々が用意されています。まずはSpanish Hams & CheesesからHam & Cheese Combo Boardを注文。温もりのある丸い木製のプレートにBellota ChorizoやJamon Serrano、Lomo Ibericoといった生ハムや燻製肉、そしてチーズやイチジク・ジェロなどが綺麗に盛られていて、スターターにピッタリの一品。ザックリと切った果物入りのフルーティーなサングリアもどんどん進みます。CrudoメニューにあるSpicy Clam Cevicheは、冷やした大きめの石の上にアサリが殻ごとのっています。アサリは柚子胡椒を効かせた和風仕立てで、黒い石に柚子やライムの緑、それにペッパーの赤が映えるプレゼンテーションは、まるで日本庭園のよう。日本人のパートナーシェフHisanobu Osaka氏がボードに名を連ねているというのも納得です。メニューにはこの他にもJapanese Ice Fishなど随所に日本料理の要素を加えたものもあり、「Bar Romane」ならではの斬新でユニークな和タパスを楽しめるのも魅力です。

次にPintxosと呼ばれるスペインのバスク地方のおつまみメニューから、Mushroom（しいたけ）を頼みました。肉厚のシイタケは直火で焼いているのでキノコの風味がギュッと凝縮されていて、噛む度にジワッと溢れ出るしいたけの旨味と、たっぷりとかけられたガーリック・バターソースがピッタリです。MeatメニューからはLamb MeatballsとDuck Confit Poutineをオーダー。ゴロゴロと大きめのラム肉のミートボールは、ミントの爽やかな香りにトマトの酸味が効いた地中海風の味付けがされているので、ラム肉をより食べやすく、そしてハーモニ豊かに仕上げています。ダックコンフィーはハッシュドポテトの上に低温でじっくりと煮た鴨肉と半熟の目玉焼きをトッピングしたもので、トロッとした半熟卵に塩味の効いたコンフィー、それにハッシュドポテトを一緒に頬張ると、鴨肉のコクがしっかりと引き立って絶妙な味のバランス感を味わえます。

今回はサングリアと共に食が結構すすんでしまったので、デザートまでたどり着くことができませんでしたが、メニューにはライスプディングやフランなどのスパニッシュ・スイーツがのっていました。タパス・レストランなのでサービスは気取ったところがなく気軽に飲食を楽しめるので、一軒目でも二軒目でもフラッと立ち寄りたい素敵なお店です。

(03/04/2019)

燻製肉や生ハム、チーズ、イチジクのジェロなどが綺麗に盛られたHam & Cheese Combo Board。	日本庭園をイメージさせるプレゼンテーションのClam Cevicheは、味付けも柚子胡椒を効かせた和風仕立て。	肉厚のシイタケを直火で焼いたMushroomのPintxosは、きのこの旨みにガーリックバターがベストマッチ。
Lamb Meatballsはミントの香りとトマトの酸味を効かせた地中海風の味付けで、とっても食べやすいです。	ハッシュドポテトの上に低温でじっくりと煮た鴨肉と半熟の目玉焼きをトッピングしたDuck Confit Poutine。	大きめに切った果物を漬け込んだフルーティーなサングリアも忘れずに。