初めてシカゴに誕生した日本人メジャーリーガー、高津臣吾。シーズン中はそのスローな『フリスビー投球』で相手チームのバッターを翻弄し、『シカゴで一番大きなオベーションを受ける選手』とまで呼ばれたミスターゼロ。そんな地元のヒーローが、日本帰国の準備で忙しい中、ダウンタウンにあるコンドミニアムでインタビューに応じてくれた。
――お疲れ様です。今年はホワイトソックスがプレイオフに出場出来なかった事自体は残念でしたが、高津さんがシカゴに来てくれたお陰で、この街の日本人は本当に盛り上がりましたよ。有難うございました。で、率直にシカゴという街は如何でしたか?
高津:シカゴという街については、事前に何も知らないでとりあえず来たわけですけれど、結果論から言えばシカゴで良かったなと思っています。チームは勿論、街もとても住みやすいイイ所だと思いました。春先ちょっと寒かったけど(笑)。
――日本人野球選手として考えるとどうでしたか?
そうね、野球選手としては、今年は夏前ぐらいに雨が多かったので延期やディレイも頻繁にあったし、調整面でもまったりしている時間が長かったのは大変でしたが、それ以外では気候的にも環境的にも良かったです。
――それにしてもあの高津さんが登場する時のシカゴアン達のスタンディング・オベーションはいつ見ても鳥肌立ちました。僕もソックスファンを長くやっていますけど、あんなの見た事ないですよ。後ろに流れている演出、あれは高津さんのリクエストだったんですか?
音楽は最初から僕がリクエストした曲(映画「SPEED2」のテーマソング)を流してくれてたんですけど、あの銅鑼が鳴ったり、映像が流れたりというのは6月の中場頃に球団の方から、『やりたいんだけど』と言われて『じゃ、お願いします』という感じでした。でも自分が出る時は後ろ見ないからどうなってるのかはちゃんと見てないんだけど(笑)。
――日本のファンと比べてシカゴのファンってどうですか?
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| 帰国前でお忙しいところをありがとうございました。(先に帰国した息子さんが忘れていった子供用グローブを持った高津さん) |
シカゴだけじゃなくて、野球熱の『熱さ』というか興味の持ち方については、日本と比べて比にならないほどアメリカ全体が野球を熱心に応援しているな、と思いました。特にシカゴに関してはカブスとホワイトソックスという二チームのライバル関係もあって、凄い盛り上がりを見せている。それを渦中で体験できた事は自分にとっても凄くいい経験でしたね。なかなか2つチームがある街って無いからね。その中でカブス戦に出場し、そして自分自身も良いピッチングが出来た事について嬉しく思います。シカゴの野球熱の高さには正直驚きました。ファンが素直に喜んで、悲しんで、本当に野球が好きなんだな、と思いましたね。
――高津さんって後輩の人望もあついそうですし、オフの間はメジャーについて若手に相談される事もあるんじゃないですか?シカゴを勧めておいてもらえます?
(『人望があつい』に笑いながらもハッキリと)シカゴは勧められますね。確かに西海岸はいつも暖かいし、『やりやすさ』はあると思いますが、本当に住んで、その中で『仕事』として野球をやるという意味ではシカゴは凄くやりやすい街だと思います。本当に相談されたら、是非推薦したいですね。
――シーズン途中でヤンキースにトレードされてしまったロワイザとは仲が良かったみたいですけど、彼の他だとチームメートの中では誰と話す事が多かったんですか?
ま、最後の方はみんなやっと仲良くなれたっていう感じですけど、やっぱりピッチャーかな?特にブルペンにいるピッチャーとは一緒にいる時間が長いですからね。なかなか本当の意思の疎通は出来ないですけど、軽い喋りぐらいは良くしてましたね。
――今年はスケジュールも結構つまってましたし、長期でお休みが無い事も多かったですよね。シカゴの観光なんかをされるお時間はあったんですか?
観光はね〜、殆どゼロに近いですね。一度家族とシアーズタワーに行きました。あとは〜、あ〜ネイビーピアとオーロラのプレミアム・アウトレットには行きました。やはりシーズン中に何かしようというのはちょっと無理ですね。ホントに丸々休みという日は殆どないし。ゴルフもいけなかったなあ(笑)。。。来年帰ってきたら行きたいね。
――ふらりとミツワに来られたのを目撃されたりしてたそうですが、郊外の方にも足を運ばれる事ってあったんですか?
「ふらりと(笑)」たまに食事に行ったり、免許を取りに行ったり、ミツワにも何度か行きましたけど、やはり時間が無くてね。あまり行けませんでしたね。
――野球選手といえばシカゴ・カルビですけど、高津さんも常連みたいですね。お肉以外では何がお好きなんですか?
お肉以外は、僕は本当の和食等なので、シカゴカルビさんでも色んなものを出してくださるので助かりました。そういう意味でもシカゴは和食レストランが思ったより多かったのは嬉しかったな。日本では和食しか食べない生活だったので、来る前はかなり心配だったんですけど、シカゴはそういう部分でも悩みを取り除いてくれる街でした。
――試合が終わってインタビューを終えると夜の11時くらいになっちゃう事も多いですし、もっと夜遅くまで開いている店があるといいですよね?
いやいやシカゴはある方だよ。他の街に行ったらもう全然無いからね。デトロイトにしても、カンザスにしても、クリーブランドにしても。お願いして開けてもらったくらいだから(笑)。
――では今年を振り返って、高津さんの中で一番印象に残っている対決というと誰とでした?
対決か〜、そりゃ松井にしてもそうだし、イチローにしてもそうだし、みんな印象に残ってるよね。でもやっぱりシカゴでやったカブスとの試合かな?
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| これが高津投手としてもベストゲームの一つとなったサミー・ソーサとの対決。シビレマシタ。 |
――8回表、2アウトで『バッター、ソーサ』?(6月26日の対カブス戦、8回に登場し、サミー・ソーサを内野ゴロに抑えて3つ目のセーブを記録した。)
そうね、あれは本当、セルラー(球場)も満員で、「どっちのファンが多いの?」ってぐらいカブスファンも沢山いる中で、『バッター、ソーサ』という場面から出てって、まあ何とか抑えられたっていうのは印象的でした。対戦したバッターとしてもソーサというのは残っているし、僕の中でもベストゲームの一つと言っていいんじゃないかな?と思っています。
――最後にシカゴのみんなにメッセージをお願いします。
そうですね、本当にこの一年、野球をはじめとして、色んな事がうまく運べたのも日本人だけでなく、アメリカ人の方々も含めてシカゴの人達に支えてもらったからだと思います。シカゴの人の温かさというのが無ければ、なかなかここまでうまくいってないんじゃないかな。まだ決まってないですけど、もし来年帰ってこれたら幸せです。応援してくれるファンの為にも、来年、いいシーズンを送れたらな、と思っています。頑張ります。
――ありがとうございました。
インタビュー中は謙遜していたが、途中からクローザーに昇格したのにア・リーグではトップ10に入る19セーブをあげているし、来年の契約更新は間違いない。今年の1月には日本記録保持者だというのにメジャーからのオファーが全く無く、一度は屈辱とも言えるトライアウト(投球披露会)まで行って手に入れたメジャーへの切符。それを片道で終わらせなかった高津臣吾投手はにこやかに笑顔で答えてくれました。来年も彼の姿がブルペンから出てくるのを楽しみですね。
(取材:住むトコ.COM編集部)
●シカゴ・ホワイトソックスのホームページ
●高津投手のプロフィール(YAHOO.CO.JP)
●シカゴに初めて日本人メジャーリーガー誕生!高津投手の入団記者会見