●シカゴで買い物：Baker Boys

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　MetraのRavinia駅の向かいにある『Baker Boys』は、カップケーキやチーズケーキなどを中心としたアメリカン・スイーツのお店です。置いてあるアイテムはアメリカのベーカリーでよくみかけるスタンダードなものばかりですが、自然の素材を活かしながら丁寧に作られているので、その美味しさは格別です。ペイストリー・シェフ兼オーナーのジョーダンさんは、素材本来のもつ甘さや味を生かしたデザートを食べてもらいたいと、常に探究心と向上心を持ち続けながらスイーツを毎日作っています。特にここのチーズケーキは、Chicago MagazineのBest Cheesecake2010に選ばれていて、それ以来ダウンタウンからも買い付けにくるお客さんもいるほどだそうです。チーズケーキの他にもカップケーキやフローズン・カスタードの美味しいことでも有名で、たった700スクエアしかない小さなお店にもかかわらず、常に客足は絶えることがありません。店内は温かみと明るさを感じる黄色とオレンジを貴重としたインテリアで、小さなショーケースには作りたてのスイーツが並べられています。カウンターの奥には大きなオーブンを中心とした作業場があり、ケーキを焼くところやフロスティングを塗っているところを見ることもできます。

　今回は話題のチーズケーキの他に、おいしそうなアイテムをいくつか試してみました。

Chocolate-Crumb Crust Cheesecake

オーナーのジョーダンさんが「世界で一番おいしいチーズケーキだよ」と誇りをもって勧めるチーズケーキには、普通のグラハムクラッカーを使ったプレーンとオレオクッキーの生地を使ったもの、それに季節にあわせた限定フレーバーがあります。その中でも一番人気なのがこのオレオ生地のチーズケーキ。低温度のオーブンで時間をかけてゆっくり焼き、加減はタイマーに頼らず必ずジョーダンさんの目で1つずつ確かめているので、チーズフィリングの滑らかさが他店のものとは違います。その舌触りはまるでレアチーズケーキのようにネットリと柔らかく、濃厚でありながらもヨーグルトのようにフレッシュ！確かにこの独特の美味しさと舌触りを一度味わってしまったら、遠くからでも通いたくなってしまいそうです。

Key Lime Cheese Cake（季節限定フレーバー）

キー・ライムの爽やかな酸味をほんのり効かせた夏にぴったりのフレーバー。クラスト生地のキメは細かく、チーズフィリングの部分と一緒に口の中でホロホロっと、とけていきます。この他にも、コーヒーやストロベリーをミックスしたマーブル・チーズケーキも人気があります。秋にはパンプキンを使ったフレーバーが出るそうです。

Ekrea

ちょっと固めの香ばしいシュー生地に、バニラ・ビーンズを使った風味豊なカスタード・クリームがたっぷりと詰まっています。クリームは滑らかで程よいトロミ感があり、こちらも食感が最高。ほろ苦いダークチョコレートを使ったチョコガナッシュのおかげで、甘すぎず後味もさっぱりしています。

Dark Molasses Cookies / Peanuts Butter Cookies

深いコクのあるモラセス（糖蜜）を使った、ダークモラセス・クッキーはシナモンやナツメグなどのスパイスの香りがふんわりと口の中で広がります。もっちり＆しっとりした柔らかさもよく、コーヒーよりもどちらかというと紅茶にあいそう。口の中で自然と溶けていくようなソフトタイプのピーナツバター・クッキーも、甘さが控えめでピーナツバターの塩気と香ばしさが引き立っていてオススメです。

Mini Cupcakes （Vanilla）

子供の手にスッポリと納まりそうな小さなミニカップケーキは、ベーシックなバニラとレッドベルベットの2種があります。マイルドなバター・クリームはバニラの風味がきいていて、ふんわりとしたスポンジとの相性も◎。普通サイズのものもありますが、ダイエット時や小腹を満たしたい時なんかはこれくらいのサイズがちょうどいいかもしれません。

Decoration Cupcakes

ジョーダンさんのセンスとアイデアを凝縮したファンシーなカップケーキは、日替わりでフレーバーが変ります。この日はLemon MeringueとTaffy、Oreo Cookies and Cream、Apple Pieの4種がありました。レモン・メレンゲはメレンゲ部分がマシュマロのようにふんわり柔らかく、少しこげたキャラメル部分が美味。その下には爽やかなレモンカードが入っていて、しっとりとした生地によくあいます。トフィーはチョコレート生地に濃厚なトフィー・クリームとダークチョコのクリームをのせ上にピーカンを散らしています。バターの風味が豊なトフィーにほろ苦いチョコクリーム、それに香ばしいナッツの組み合わせは抜群でカップケーキの中ではこれが一番人気でした。煮詰めたリンゴの角切りを入れて焼いたApple Pieは季節限定もの。リンゴの甘酸っぱさにシナモンをミックスしたバター・クリームがよくあいます。山のように盛ったクリームに砕いたオレオクッキーをまぶしたクッキー＆クリームは、ボリュームがあっていかにもアメリカらしいケーキ。どれもクリームに甘さはあるものの、スポンジ生地に余計な甘味がないのとトッピングやフィリングのアクセントがきいているので、一緒に口に入れたときの味のバランスが素晴らしく飽きることなく食べられます。

Scones

スコーンの種類もシーズンやその日によってフレーバーは違いますが、今回はアメリカン・チェリーを錬りこんで焼いたチェリー・スコーンがありました。スコーンには甘酸っぱいレモン・アイシングがかかっているだけでなく、スコーン生地にレモンの摩り下ろした皮も入っているので爽やかな風味が口いっぱいに広がります。

Frozen Custard（Pumpkin）

手づくりのフローズン・カスタードもこのお店のシグネチャー・アイテムの1つです。シカゴ各地で色んなフローズン・カスタードを食べてきた取材員ですが、ここのはベスト！と言い切れるほど文句なしの美味しさ。ジョーダンさんのアイデアによるフレーバーは常時6種類ほどありますが、どれもミルクのまろやかとクリーミーさが優しく、素材の自然な甘さとともに舌の上でスーッと溶けていきます。濃厚なのにしつこい甘さがないので食べた後もスッキリ。フレーバーは季節やシェフの好みによって代わりますが、今回は秋らしいパンプキンスパイスをお願いしました。ミルクにほんのり淡い甘さのカボチャとシナモンやジンジャー、ナツメグなどのスパイスが程よくブレンドされています。

　

　『Baker Boys』では常に作りたての美味しさを味わってもらうために、全てのスイーツは開店時から少しずつ焼きはじめます。そのため、全ての種類が出来上がる11時ごろが一番ケーキのチョイスのあるベストなタイムなのだそうです。その後は注文によりどんどん在庫が減ってきた時点でまた焼き始めていくため時間帯によっては品薄のこともありますので、欲しいスイーツが大体決まっている方は行く前に電話で注文して確保しておくか、早めの時間帯に訪れるのをお勧めします。ちなみにコーヒーはグルメなウィーン・コーヒーのメーカー、Julius Meinlのものを用意しています。その場でお茶のできるカウンターテーブルは店内に数席のみですが、お天候のいいときには外にも小さなテーブルが置かれています。

（09/05/2011）