ブリュッセルと聞いて何を思い浮かべますか?EU(欧州連合)のヘッドクォーター?チョコレート王国、キャラクター系が好きな方なら、タンタンやスマーフ?「小便小僧」くんはどうでしょう?決して大きいとは言えない、ヨーロッパの国、ベルギー王国。九州と同じくらいの国土の中心とされているブリュッセル。今回の特集では、この小さくて魅力たっぷりなベルギー、その中でもブリュッセルを中心にご紹介していきたいと思います。
<基本情報>
正式に認められている公用語が3つ(ドイツ語、フランス語、オランダ語)の国だけで、すでに「国際色豊かそうな」イメージですが、それもそのはず、ベルギー王国首都のブリュッセルには、ヨーロッパの主要な機関が多く置かれています。なぜかと言うと、ヨーロッパの中心的な地理上にあり、西には海をはさべばすぐイギリス、という交通の便での良さが一番の理由と言われています。他にも歴史的に、EUの本体となったと言われる「欧州石炭鉄鋼共同体」や「欧州原子力共同体」などといった機関のオフィスがあったのと、16世紀からは「欧州郵便網(帝国郵便)」の起点にも、というわけで、長いあいだ“ヨーロッパの中心”的な場所なのです。国旗は黒、黄色、赤の3列になっていて“あれ、ドイツに似てる?”と思われるかもしれませんが、ベルギー国の国旗は縦にならんでおります。1831年に公式に制定されたこのデザインは「黒い土地に赤い爪や舌を出している、黄色いライオン」なんだそうです。
ベルギーの首都であるブリュッセルの人口は約115万人ほど。オランダ語で「沼に近い村」の意味、ブルークゼーレがその語源と言われています。美しい街並みで世界遺産にも指定されているグランプラスや小便小僧(小便少女もいます!)や王立美術館などが、徒歩圏内でのんびりと楽しめ、そして何よりも“食の都”と絶賛される美味しいものがたくさん。ベルギーといえばチョコレート、ゴディバやノイハウス、レオニガスなんてブランドをご存知の方も多いはず。ベルギーワッフルはたっぷりとかかったキャラメルやホイップ・クリーム、新鮮なフルーツやチョコレート・ソースとともに。ムール貝やフリッツと呼ばれるフライドポテトも有名。そうそう、お酒好きにはベルギー産地元のビールも忘れてはなりません!街をくまなく歩き、美味しいものを口にし、大道芸人さん達の演奏に耳をとめ、ヨーロッパ中心の文化に触れる。。。さぁ、観光をはじめましょう!
<街を歩く>
ブリュッセルの良いところ、それは“歩ける距離に主要な観光名所がある”ことです。まずは、グラン・プラスに向かいましょう!ここは街の中心的場所であり、一日中人が集まる場所。市立博物館が入っている「王の家」、観光案内所も入っている「市庁舎」、カフェやレストランが“観光地”値段で並び、また大道芸人や、各種ツアーの集合場所としても利用される場所ですので、世界各国の言語も耳に入ってきます。ここに来て360度周りを眺めると、“あぁ、ヨーロッパにいるんだぁ”という気持ちになりますよ。その昔は、ここが市民の台所、市場になっていたそうですし、現在もあの有名な「フラワーカーペット」や「クリスマス・マーケット」の開催場所です。
グラン・パレスすぐ横にあるのが、「セルクラースの像」。この像の左手を
触ると、幸せになる!ということで、その左手を狙っている観光客の人だかりがわかりやすくできています。中世の時代に、王位を継承して街を支配しちゃえ!と企んだフランドル伯を制服させて、街を守ったという英雄がこのセルクラース氏。黄金の、、、と言われいたのですが、実際は触られまくっているためか黒光り状態、ではありました。
やはり外せないのが、「小便小僧」でしょう。ここもグランパレスからすぐ、人だかりを目指していけばすぐに分かります。が、“世界三大がっかり名所”のひとつに数えられているだけに(後2つは、シンガポールのマーライオン、コペンハーゲンの人魚姫)、実際はとても小さいのです。彫刻家ジェローム・デュケノア氏が制作したこの有名かつ変わった像、オリジナルのものは1960年代に盗まれた!という事件が発生したため、現在も放尿中の小僧くんはレプリカ、となりますね(オリジナルは王の家・博物館にあります)。正式名は「マネキン・ピス」、由来には諸説がありますが、一番信じられているのが、その昔ブリュッセルを爆破しようとした相手軍の導火線に、放尿して火を消した少年、ジュリアン君の武勇のお話からだそうです。ちなみに、この「放尿」ですが、イベントに合わせて、「ビール」が放されたり、デリリウム・トレメンスという、ベルギーのエールになったり、となかなかおもしろい企画がされるようです。また、世界各国からこの小僧君に様々な「衣装」が送られてきて、まるでファッションショー状態、日本からも「日本一の桃太郎!」のコスチュームが。こういった衣装の類も、博物館内で見ることができます。そうそう、ご興味のある方は、「小便少女」もあるのですが、、、こちらは1987年から座って放尿中のJeanneke
ちゃん。触ろうとする方が多かったようで、現在は柵が設置されちゃいました。
ところで、ブリュッセルの博物館や美術館、そして乗り降り自由なHop-on&Hop-off
Busにも利用できるお得なカードをご案内しましょう。有名観光地にはありがちなこの「ブリュッセル・カード」ですが、カードを持っていれば市内39の観光名所に、並ばずに入れるというすぐれもの。期限は24、48、72時間からチョイスができ、また出発前にオンラインで購入も可能。現地ではグラン・プレス市庁舎の中にある「観光案内所」で直接購入可能です。
<チョコレート博物館>
ベルギーといえばチョコレート、チョコレートといえばベルギー、ということで、まず最初に向かったのが「チョコレート博物館」。グランプラスすぐ横にありますが、ちょっと小さめなので分かりづらい外観?かもしれません。「Musee
Du Cacao et Du Chocolat」という文字を探してみてください。館内は3階建て、1697年に建てられた「The
De Valk(はやぶさ、の意味)」の名を持つ古めかしい建物なのですが、そこがまた味があり雰囲気ばつぐん。大人なら6ユーロを入り口で払い(ブリュッセルカードなら無料)最初に向かう1階(ヨーロッパですので、グランドフロア)では、様々な試食チョコが並び、そして奥には実演ルーム。こちらでは毎日プロのチョコレティエによって、美味しいチョコレートの作り方がデモンストレーションされています。見るだけでなく、もちろんここでも試食チョコがもらえ、また「美味しいチョコの選び方」も伝授してくれるかも。これからのべリュッセル滞在で出会うであろう&お土産として選ぶであろう様々なチョコレートの各種、この博物館でしっかりと知識を得ておいてください!
創業者の女性の「チョコレート頭」にギョッとしつつ上階に登ると、カカオが育っている国々の紹介や、「金」と同じくらいの価値で扱われていたカカオの歴史、ヨーロッパで昔から利用されてきたチョコレートを楽しむたの美しい陶器などが飾られています。
<王の家:博物館と市庁舎>
グランプラスの中にある厳かな建物、市庁舎と向き合っている場所にあるのが「王の家(Maison
du Roi)と呼ばれている市立博物館。この16世紀に建てられた家に実際は王様が住んだことはなく、王様の代理人が町民から税金を集めていた場所、、、だとか。スペイン支配時代には、この場所がカトリック教徒でない人たちを集めた「監獄」、荘きくとなんとなーく暗い、冷たい雰囲気の広がる内部、ではあります。が、館内にはブリュッセルの歴史が学べる地図の他、彫刻、絵画、タペストリーなどの美術品も美しく並んでいて、そのきらびやかさにうっとり。やはり人気なのが、上階にある「マネキン・ピス」の展示ルーム。ジュリアン君のために送られた様々なコスチュームを見ることができます。個人的には、モーツアルト君のかつら系にほの字。。。このコスチュームの数々をモチーフにした絵葉書や、トランプなどをお土産にするのもいいですね。こちらも「ブリュッセル・カード」利用可能。
向かいの白い壁に高い塔(96m)が目印のゴシック建築、これが市庁舎となりますが、現在もこちらが市の中心、ということで、内部を見る場合には
、ガイドツアーのチケットを購入することになります。約45分の英語ツアー、当日市庁舎にある観光案内所に直接向かってみてくださいね。ちなみに、塔の一番上には、金でできた天使の像があります。この守護天使ミカエルによって、ブリュッセルは守られているんでしょうねぇ。
<王立美術館、マグリット美術館、MOOF美術館>
15世紀からの絵画が所狭しと集まる、世界からも注目されるベルギー王立美術館。それもそのはず、もともとナポレオンがルーブル美術館から持ってきた名画を貯蔵するために創設された場所なのです。「フランダースの犬」で最後に見上げる絵を描いたフランドル派、ルーベンスの作品や、ブリューゲル、などの宗教的絵画が多く、神聖な気持ちで館内を回ることができます。別館の近代セクションではクノップフやピカソなどもありますが、シュルレアリズムで有名な「マグリット」の作品は、この王立美術館すぐ横にマグリット美術館がありますので、そちらで堪能してみてください。ちょっといたずらで、ちょっとシンプルで、ちょっと意味深い、そんなマグリットの世界、ギフトショップではシュルレアリズムに溢れた、一風変わったお土産品も見つけられるかもしれません。両美術館は、ブリュッセル・カードで入館可能。ところで、この2つの美術館のロケーション、周りには王宮や、緑美しいブリュッセル公園もあり、ちょっとのんびりお散歩したい場所。時には音楽イベントなども開催される憩いの場、ピクニックにも最高!タイミングよく、「エスカルゴの屋台」を見つけたらぜひトライ!
ファインアートより、漫画!なあなたには、MOOF美術館をおすすめします。中央駅眼の前、ヒルトンホテルの一角にあるこの美術館では、小人のスマーフをモチーフに、フィギュアや絵や原画の数々、そしてタンタンの冒険のキャラクター達にも出会えます。お子様連れ、そしてスマーフやタンタンのグッズを集めている方、ぜひ足を運んで頂きたい場所(もちろん、ブリュッセル・カード可)。ちなみに、このMOOF美術館とは別に「ベルギー漫画センター」がオープンしています。大人も子供も、童心になって楽しめる場所として大人気!
<美味しいもの>
美味しいものがもりだくさんのブリュッセル。しかも、観光がてらに街を歩けば、いい匂いが漂ってきて、足を止めずにいられないという、ダイエット中の方には全然おすすめしない場所なのです。まずは、そう、ビールから!九州ほどの大きさのベルギー国内に130ほどの醸造所があり、その種類は1500以上と言われるくらい、ビールにかけている情熱が高いのがわかります。もともと中世の時代に修道士達によって作られていたほどの歴史もあり、ピルスナーを中心としたベルギービールの味わいは、世界にしられていますよね。聖杯型のグラスで飲むのが正しいOrval,
Wetmalle, Chimay といったトラピスト・ビール(修道院で作られていたという由来)や、ホワイト・レッド・ブラウン・ゴールデンといった色の違うビール(それぞれ麦の割合や、樽の内側の色などで変わってくる)、そしてKriek(クリーク)という名が有名な「フルーツビール」の各種もベルギーならでは。クリークはさくらんぼを、他にも桃やパイナップル、りんご、いちご、ブルーベリーなどの果汁を加えてから再発酵させるというもので、カクテルのような甘い味わいが、女性たちにも大人気のようです。
さて、そんなビールをたっぷりと味わいたいあなたは、ぜひ「デリリウム・トレメンス・カフェ」へ向かいましょう。日本にも出店している、ピンクのゾウさんロゴのかわいいデザインですが、ここ、本場ブリュッセルのカフェはもう「ビール好きさんの天国」、ベルギー産だけでなく、世界中から取り寄せた2000ほどの種類のビールが用意されており、その数はギネスブックにも指定されているとか。グランドフロアと地下の2階からなるカフェ、朝10時の開店時間から深夜まで、ホップの香りたっぷりに世界中の観光客や地元民が飲む、飲む!店内の雰囲気もさながら「ビールの博物館」的で、美味しい味に喉を潤しながら周りを見渡すと、樽のテーブルが並び、昔ながらのビールブランドのロゴ看板が貼られ、そして添乗にもビールのマグが吊る下がっているという感じ。ここでは1リットルの大きさのビールも楽しめますが、いやぁ、おトイレに行く回数が増えそうな。グランプラスから徒歩数分、「小便少女」ちゃんもすぐ横に待っている、小粋なヨーロッパ風の街路にならぶ「ピンクのゾウさん」へゴー!
ビールと相性のいいおつまみ、フライドポテトですが、こちらベルギーではこのポテトにもかなりの“こだわろり”があるようです。「フリッツ」と呼ばれていますが、国民食とも言えるくらい、ブリュッセル子達はこのポテトが大好き。どのお料理の付け合せにも出てくるし、フリッツ専門店も多々あります。実はその美味しさには秘密があり、まずオーブンで一度じゃがいもをグリルしてから、さらに高温の油でカリッと揚げる、二度手間なんです。そして軽くお塩を振った熱々のフリッツはそのままでも十分美味しいのですが、お好きなソース(マヨネーズ、ケチャップ、Samouraiと書いて侍ソースなども美味!)をディッピングしながらどうぞ。筆者のおすすめは、やはりグランパレスからすぐのFrisland。少々並ぶのを我慢してくださいね。
徒歩圏内にある、高級感あふれる屋根付きショッピング・アーケード、「ギャルリー・ロイヤル・サンチュベール」。その中にはブティックに雑貨屋、カフェからレストラン、そしてブリュッセル土産には欠かせない「チョコレート屋」の各種も並んでいます。ベルギー王室御用達のチョコレート、実は何種類もあるようです。写真のマークが入っていれば‘御用達’なのですが、どれも美味しくて歴史があるので、一つに選べないのでしょうかね?レオニダス、ピエール・マルコリーニ、メリー、など有名な名前があがりますが、その中でもベルギー以外では購入が難しい「ニウハウス」社。「薬局&ショコラトリー」として1857年に創業したこのブランド、ボンボン・ショコラ(ひとくちチョコレート)を初めて作り出した老舗なのです。試食もさせてくれるお店の中はいつもたくさんの人で賑わっています。
サンチュベールの中のレストランで、ホテルのコンシェルジュに「絶対行ってね!」とおすすめされたのが、Le
Marmiton。ベルギー料理にフランチのセンスを入れたお味が有名で、そのメニューの中でもぜひトライしたいのがこの「ムール貝」。ヨーロッパというとお肉料理が多そうですが、北海に面しているベルギーだけに、海の幸も豊富なのですね。お鍋いっぱいのムール貝、スープのお味はシンプルに、塩、にんにく、そしてセロリ。ムール貝を殻から外す時は、地元の人がやるように、他の貝の殻をスプーンのように使ってすくってみましょうか。一緒にくるパンやフリッツにたっぷりとこのスープを吸い込ませて食べることをお忘れずに。また、お肉料理では「カロボナード・フラマンド」を堪能してください。ベルギーの郷土料理として有名で、地元ビールを使って牛肉をゆっくりじっくり煮込んだ味わいは、日本のビーフシチューのようで濃厚かつお腹を満たすことうけあい。もちろん、ビールとの相性も最高です!もう一つ、外せないのがやはり「ベルギー・ワッフル」。こちらも街を歩けば10メートルおきにワッフルをうるお店を通りすがることになるので、食べないわけにはいかない、、、。さて、こちらで食べる本場のワッフル、実は2種類ありまして、大きめで(だいたい四角い)軽いブリュッセル・ワッフルと、小さめで(だいたい丸型)のザラメ入りのリエージュ・ワッフル。2つのうち、街の屋台なので売られているのがリエージュ(食べ歩きしやすい)、そしてぜひ“席に座って、テーブルで、ナイフとフォークで”食べていただきたいのがブリュッセル・ワッフル。それだけ、繊細で軽くて、そして気品のあるものなのであり、ワッフル自体は本当にサクサク&カリカリとしていて、甘さも少ないのいので、トッピングとして、ホイップクリームやチョコレート、アイスクリームにキャラメル、いちごやラズベリーなどのフルーツやナッツ類がたっぷり、その上に粉砂糖、、、とお好みで付け加えられます。これを“食べ歩き”するのは一苦労、というわけです。たくさんのワッフルのお店が並びますが、有名なのは、Dandoy、Gaufres、Vitalgaufreなど。
<エクスカージョン:アントワープ>
「フランダースの犬」の舞台になった教会、少年ネロが天国に召される前にやっとの思いで見ることのできたあの絵画、を実際に眼の前で!ドキドキする世代の皆様、ブリュッセル中央駅から国鉄に乗って、ヨーロッパ第2の大きさを誇る港街アントワープへ向かいましょう。公共の鉄道駅とは信じられないくらい美しい、きらびやかなアントワープ駅に到着すると、目の前は商店街のように道が広がっています。アールヌーボー様式の建物の一階部分は、ほとんどがお店。数々の「ダイヤモンド取扱店」を目にして、ついお値段拝見、などしちゃうかも。アントワープは昔からユダヤ系の方が多く住んでいて「西のエルサレム」という通称もあるくらい。ダイヤモンドの研磨用円盤を発明した方もベルギー系ユダヤ人、というわけで、人が人を呼び、アントワープはダイヤモンド産業のメッカとなりました。また、大通りにはたくさんのブティックも並んでいますが、アントワープのもう一つの顔「ファッションの中心地」だから。ここには王立芸術学院の所在地であり、世界的に有名なファッションデザイナーを生み出しています。
さてさて、目的とするのはやはり「聖母大聖堂」この中にあのルーベンスの絵画が待っているのです!中央駅からは約徒歩20分ほどの「マルクト広場」を目指して行けば、そこには目を見張るような美しいゴシック建築の聖母大聖堂、そして眼の前には日本から寄贈された「ネロとパトラッシュ記念碑」が。
少年と犬が気持ちよさそうに、あたたかそうに、少し笑顔の中眠っています。子供心にアニメの最後のシーンに心を痛めていたので、“ああぁ、よかったわぁ。”と安心、安心。さて、聖母大聖堂に入るにはちょっとした列ができているかもしれますが、待ち時間もなんのその、123メートルの街の中心建築を見上げながら、170年の月日をかけたそのディテイルに注目してみてください。さぁ、中に足を一歩踏み込むと、白い高い天井から、神聖な光が注ぎ込んでいます。「キリストの降架」と名がつくこの絵、ルーベンスの細かい描写と影と動きが素晴らしいこの絵、これがネロ君が見たかった絵なのでした(周りにはやはりたくさんの日本人観光客さんが集まっておりました)。
もちろん、他にも見どころはたくさん。ネロが毎日のように拝んで自分の母親のことを思っていた(そしてカーテンに隠されてはいなかった)祭壇にある「マリア被昇天」や「キリストの復活」といった有名な絵もここで見つけることができます。さながら美術館のような意味合いをもつ教会、ステンドグラスやパイプオルガンの装飾も美しく、のんびりと時間をかけて楽しんでみましょう。出口にはギフトショップもありますし、教会の周りには小粋なカフェやレストラン、そして聖母大聖堂同様に、世界遺産の指定をうけている「アントワープ市庁舎」も近距離。噴水の銅像は英雄ブラボー氏。スヘルデ川に住んでいた悪魔の巨人、アンティゴーンの手を切り取って退治した都市伝説より。実はこの話がもとになって、「Hand
(手)& Wearpan(投げる)=>
Handwearpan => アントワープ」になったと言われています。というわけで、街中のいろいろな場所に「手」のオブジェがありますので、見つけてみてくださいね。
せっかく足を伸ばしてやってきたので、こちらにあるもうひとつの世界遺産「プランタン・モレトス印刷博物館」にも訪れてみましょう。16世紀なかばに世界で初めて産業印刷を行った場所、当時の工房の様子をたっぷりと博物館として見物することができ、手動の機械やさまざまな古い書物が興味深いことでしょう。グルン広場は大きなファーマーズ・マーケット
、野外音楽会なども随時開かれている場所。長い間、商業の中心地として、人混みも多く活気に満ちています。そこに、世界中からの観光客を迎えるかのごとく立っているルーベンス巨匠の銅像、彼と大聖堂の塔の部分をバックに写真を取れば、アントワープ観光の良い思い出になるでしょう。
|