夏休みに入り、旅行シーズンまっさかりですね。お客さんを迎える人や家族旅行を計画している人も多いはず。アメリカ国内での旅行を数多くこなしている方でも、意外と日本語ツアーに参加したことのある人は少ないのでは? たまには、日本語のツアーに参加してみてはどうでしょうか? ツアーに参加すると、時間に無駄がなく効果的に観光地を回ることが出来、また治安や渋滞を気にせずに、疲れたら、バスの中で一眠り。なにより、日本語で豆知識をたっぷり教えてくれるので、通訳に徹したり、頭を使うことなく楽しむことが出来ます。ただし、寄り道や穴場のおいしいところでの食事は出来ないのが難点ですが、一度日本語ツアーに参加して、知識を蓄えて、次からはオススメスポットを自分で回って案内すれば、あなたもりっぱな旅行通にみえるはず。予約は、現地での一日ツアーなら、空いてさえいれば前日でも取ることが可能だそうですが、早めに計画を立てておけば安心ですね。日本語ツアーは、各日系旅行社に問い合わせると教えてくれます。
★ナイアガラへの旅
皆さんご存知のアメリカとカナダの国境に横たわる巨大な滝です。シカゴから飛行機で行けばたった2時間、車でも10時間ほどで到着するナイアガラは、中西部の人にとって、気軽に訪れることの出来る観光地といえそうです。カナダ側にわたれば、アメリカとは一風違った習慣や景色を楽しむことも出来ます。
< シカゴからの行き方>
飛行機利用の場合には、二通りあります。
1.アメリカ国内バッファロー空港へ飛びバッファロー空港から陸路カナダ国境をえて到着
2.カナダまで飛び、空港で入国審査し、ナイアガラまで陸路でむかう
|
ちょっとスリルのあるローカル便 |
今回、2泊3日でナイアガラ、NYを回るということで、その1の方法で、現地入りをしました。バッファロー空港は、ナイアガラのためにあるような小さな空港です。したがって、そこに向かう飛行機も小ぶり。シート横3席のローカル便で、2時間ほどで到着します。この小さな飛行機、フライトアテンダントは一人だけ、一応飲み物はサービスしてくれますがコップを手で運んできます。手荷物は女性用ハンドバック程度までは手元にもってこれますが、それ以外は飛行機の入り口で預けます。一泊用のカートタイプのバックはもちろん預け入れです。これ、結構びっくりしますけどローカル便ってこんな感じなんでしょうね。ゆれて結構怖かった。
バッファロー空港で集合の日本語ツアーを利用してみました。シカゴからの参加者は私たちだけでしたが、入り口でガイドさんがお待ちかね。他にもお客さんが来るため、30分ほど待つようにいわれました。基本的にこのツアーはNYへの観光客の日帰りオプショナルツアーとして有名なようで他のお客さんはNYから来た方でした。NYからなら十分日帰り圏内ということですね。夕方で解散となるので、スケジュールがタイトな人には、シカゴからでも日帰りでも可能かも? 私たちは一泊したので滝周辺の観光も楽しむことが出来ました。
|
バスから滝が見えてくると感激! |
ツアー客がそろったところでバスに乗り滝までドライブ。およそ1時間30分、ガイドさんが、ナイアガラの地理や歴史の説明をしてくださり、すっかり物知りに。ナイアガラにまつわる面白い話やおすすめのお土産なんかも紹介してくれます。道中の景色を楽しんだり、走っている町の歴史などを聞いているうちに遠くに水煙が見えてきました。
日本人にとって滝の印象は『高いところから勢いよく流れ落ちる細長い流れ』というものがほとんどかと思いますが、この滝、すでに遠くからの景色からして違うのです。「ザーッ」というより「ドドドーっ」ですね。もくもくと煙が上がって、知らなければなんだろう?という感じ。「もしかして?」と思っているとガイドさんから「滝ですね?」と確認の一言が。みんな一斉にシャッターきりました。これからもっとすごいのが見られるのに、ついつい・・・。
<入国審査>
|
税関を超えていよいよカナダ側へ |
さて気分はすっかり滝に到着だったんですが、その前にカナダへの入国審査です。バスが入り口に止められ、係員の指示のあるまで中で待機し、合図とともにバスをおりて建物の中に入ります。順番にパスポートを見せ、スタンプを押してもらって終了。ビザホルダーの私でしたがI-94はまったく触らず、他の方と同様にスタンプのみです。バスが税関を出ればそこはカナダ。一気に観光地ナイアガラの風景が広がります。
<ナイアガラの滝観光(船編)>
バスをおりると滝の煙とその音で臨場感いっぱいなのですが、ツアーなので続いてホテルで昼食となりました。ナイアガラ観光では有名なホテルのバフェなんですが、残念ながら、在米6年、粗食で暮らしている私がこんなにおいしくないものを食べたのは初めて。ツアーの食事に期待するほうが間違っていますかね。ここは観光地だし・・・。ですが、滝のよくみえるベストロケーションだったのは、かなりオススメのスポットです。
|
乗船していよいよ滝つぼ近くに |
昼食終了後 いよいよ滝観光、滝の間近まで行く「霧の乙女号」という観光船に乗船です。まずホテルのロビーにて乗船チケットをもらい、滝観光の注意(並び方とか水よけポンチョの使い方とか舟のどこに陣どったらいいか、とか)を聞いてさあ出発! 船着き場まではゆるい坂を下っていきます。ディスニーランドの乗り物の行列のような感じです。そしてエレベーターに乗って船着場へ向かいます。エレベーターをおりたら艀はすぐですが艀に行く前に全員に雨よけポンチョが配られます。このポンチョが結構曲者。ガイドさんによればこのポンチョは船を待っている間は広げてはいけないそうです。実際船を待っている間に広げてばたばたしているアメリカ人観光客多数。なぜかというと、すごく長くて大きなポンチョだからです。大柄な方でもすっぽり覆われる大きさなので普通の日本人には絶対すそを踏むことになります。それをかぶって歩くのはとても危険。そういうわけで船にのって定位置を抑えたら広げましょう。
船が停泊するドックからも十分滝は見えています。近い方がアメリカ滝、地理上はアメリカにある滝で最も横に広い滝。右奥にある馬蹄形の滝が俗にナイアガラの滝と言われるカナダ滝です。ドックにいる間でも大声で話さないと聞こえないくらいの爆音です。乗り込む船が戻ってきました。2階建ての船ですが2階部分にいる学生の団体は、まるで滝つぼに飛び込んだようなぬれっぷり。(もちろん彼らはポンチョなど着ていません)
|
乗船していよいよ滝つぼ近くに |
私たちの番がやってきました。ガイドさんの指示どおり両方の滝側の見えるほう、1階部分に場所とり。当たり前ですが全部立ち見です。ここでポンチョを広げます。船が出発すると滝の影響で風がものすごく、ポンチョは足元から舞い上がりました。それを抑えるのにあわてていたら乗客の歓声とともに細かい霧雨のようなものを頭に感じます。アメリカ滝の正面に近づきつつありました。勢いもすごいけどたくさんの霧で気分爽快です。水しぶきが気持ちいい。アメリカ滝の裏には洞窟があり「洞窟ツアー」なるものもあります。アメリカ滝でも十分感動した私ですがもっと右へ向かって船は進みます。ナイアガラの滝の本領であるカナダ滝です。船はまるで吸い込まれていくように近づいていきます。ちょっと止めて?!と言いたくなるくらい近くまで行きます。ここまでくるともうシャワー状態。ポンチョの覆わない足元はびしょびしょ。でも乗客は滝の豪快さを楽しみ、大きな声でさけびながら滝のシャワーの前で写真をとっています。滝じゃなくって、水しぶきのかかった人間しか写りませんけど・・・。初めて、ナイアガラに行く人たちには「霧の乙女号」はオススメです。日本での滝の観賞というと遠目にしんみりっていうかんじですが、滝の際まで迫っていくこの船は、濡れてこそ楽しめる!というアメリカならではの楽しみ方です。
<ナイアガラの滝観光(地上編)>
|
観光スポットのテーブルロックから |
ナイアガラの滝はこの乗船が主だった目的になりますが、カナダ滝を陸地から見下ろせるスポット、テーブルロックにも行きました。ここは展望台として楽しみことができるところで、滝の水が落ちて行くさま、引き込まれそうになる水の色とともに見ることができます。土産店、レストラン。観光案内センターもあります。各自写真を撮ったり休憩したりできました。風の向きによっては滝の勢いで起こる水しぶきが雨のように降ってくることもあります。このほかにも流れ落ちる滝の上流方向へ沿ってのドライブや渓谷のワ−ルプール(渦巻き)の見学も含まれています。
その後、バスは観光ツアーの定番である日系土産物やさんへ向かいます。店員さんはほぼ日本人の店で丁寧な説明つきで買い物ができます。ナイアガラと書いてある装飾品、メープルシロップ、メープルシロップの入った菓子類などがありました。
この地点でNYへの日帰りツアーの方たちはバスにのって空港へ戻り、夕方の便でNYへ向かうのですが、私たちはここで1泊の予定だったためホテルまで送ってもらえました。
ツアーそのものは合流で一緒にしてもこういう風に旅程を調整してくれます。ツアーのメンバーのうち1泊したのは私たちのグループだけでしたが、ツアーには翌日の空港までの送迎も含まれていました。翌朝迎えにきたのは大型バスにガイドさん一人。客は私たちだけ。ホテルから空港までガイドさんつきでまさに貸切状態になり、ちょっと贅沢な気分でした。
ホテルからは、夕方や早朝にケーブルカーを利用して、滝沿いに出て歩くと、とても気持ちのいい散歩コースでした。こじんまりしていますが夜ぶらぶらできるような繁華街Clifton
Hillもあります。季節によっては滝のライトアップもあってまた違った顔を楽しむことも。車があれば滝の周りだけでなくちょっと郊外のNiagara
on the Lakeという小さな町まで足を伸ばすこともできます。この街はアイスワインも有名でナイアガラ観光のもうひとつの顔にもなっています。
|
|
ロープウェイからの滝を眺めるのも楽しい |
自然のパワーを感じてしまいます |
|
|
テーブルロックのギフトショップ |
ちょっと足をのばしてワイナリーに |
★ニューヨークへの旅
|
いろいろなNYツアーが用意されいている |
アメリカに住んでうん年、こちらでの生活には慣れているつもりですが、さすがにNYへの旅となると緊張します。シカゴのダウンタウンにもめったに行かないし電車にも乗ったことがない。こういう私のことを田舎ものというんでしょう。前回は家族でただ歩いただけ。予習なしだったので無駄が多くかつハードスケジュールな旅でした。NY2度目の今回は、2泊3日の後半、1泊半での観光。無駄な時間は使えない!ということで、二つの日本語ツアーに参加してみました。
日程に余裕があるのなら、まず一日観光ツアーに乗ってみましょう。バスに乗るときに観光用の地図がもらえるので走りながら行き先をたどっていき、どのあたりにお目当てのものがあるか確認しておきます。後からそこに向かうときに土地勘がついてとても動きやすくなります。
<空港からマンハッタンへ>
|
マンハッタンの都会の景色 |
ナイアガラ観光をした翌朝、飛行場まで送ってもらった私たちは、今度はラガーディア空港に降り立ち、まずは観光案内のかっこいいお兄さんにどのあたりに行きたいかを説明しました。すると3つほどの方法を教えてくれました。私たちが選んだのは乗り合いシャトル。無線で連絡しているようで、運転手が迎えにくるまで待っているようにいわれます。待つこと15分、運転手のおじさんがやってきました。大型バンにはすでに先客が乗っており、出発です。普通のタクシーでも同じなのでしょうが、マンハッタンへ行くまでいろいろな地域を通ります。夜は歩けないような地域、舗装のされていないがたがたな道路、多分裏道を走っているんだなと感じつつも1時間半ほどでマンハッタン中心部へ。
<夜景ツアー(所要時間3時間)>
今回の一つ目のツアーは夜景ツアーです。すっかり日が沈んでからのツアーなのでホテルにチェックインした後、町を散策するなどの時間は十分にありました。ツアーは、NYの夜景ポイント、マンハッタン島をはさんで東側のブルックリン橋を渡った対岸側と、西側のニュージャージー方面からマンハッタンの摩天楼の夜景を楽しみます。
|
ブルックリン橋の夜景 |
Hilton Hotelの日本語ツアー用のカウンター前に集合。ここは主だった日本語ツアーの集合場所になっているのでさまざまなグループのお客さんが集まってきます。
時間になり参加者の確認をしていると外がものすごい雨に。ガイドさんは当然のように出発します、と宣言。好き好んで大雨のなか夜景を見る人はいないでしょうが、キャンセルすれば、次はない旅行。絶対見るぞマンハッタンの夜景。そういう雰囲気でいっぱいのバスはまずブルックリン橋を渡り夜景ポイントへ。
雨はただの雨ではなく、ものすごい雷雨でした。摩天楼のビル郡は雨の勢いで水煙に覆われ、空には稲妻まで見える始末です。しかし、こんな状態のマンハッタンはめったに見られないという楽観的な空気がバス内をつつみこんで、なかなかいい感じ。水はけの悪い地域で道路にあふれる池のような水溜りに突っ込んで走るバスに車内喝采だったりとで結構楽しんでいました。
次のポイントでも雨はまったくやむ様子がありません。『降りてご覧ください』といわれても誰も降りる気配なし。最後の自由の女神のライトアップを見る予定は、さすがにバスのなかから見られるほど近くにないので傘をさして見学へ行く人も。
今回は団体バスのみの夜景ツアーでしたが、季節によってはディナークルーズやもあります。
<一日観光ツアー>
翌日は朝7時に前夜と同じ場所に集合で一日ツアーへ。バスに乗る前に簡単な地図ののったツアーマップを渡されるので道中どこを走っているのか確認できます。参加者は熟年カップル、友人同士、親子、家族と様々です。日本からの観光客ばかりでなくアメリカに住んでいてNYへ観光へ来たという参加者もいました。
|
NYのシンボル自由の女神に感激 |
このツアーはマンハッタンの主な観光地を一日で回るもの。ブロードウェイ、タイムズスクエア、5番街、グリニッジビレッジ、国連ビル、メトロポリタン美術館、ダコタハウスなど有名ポイントの前を通過し自由の女神をまじかに眺めるフェリーの乗船、リンカーンセンター、ロックフェラーセンターの展望台への入場を含んだツアーです。
今回のガイドさんは専門が音楽やミュージカルというだけあってそのあたりのガイドは特に聞く価値がありました。時間があったら絶対本場のミュージカルに足を運んだのにと後悔させられたくらいです。また、ジャズクラブの情報にも詳しく、見落としてしまいそうな店の歴史やお勧めの店を教えてもらえました。
マンハッタンそのものは小さい島ですが、交通量も多く、思ったより時間がかかる典型的な都会。その中を迷わず走っていくバスはかなり楽チンでした。自由の女神見学では、マンハッタンの南部にある公園から自由の女神をまじかに見るフェリーに乗ることができます。公園でバスを降り、一般の人がチケットや荷物検査に並ぶのを横にフェリーに乗り込みます。眺めのいいフェリーで説明を聞きながらゆっくりと観光を楽しみます。自由の女神のあるリバティ島には上陸しませんが、真下から全貌を眺めると遠い昔にヨーロッパから長い船旅を経て新天地にやってきた人たちの気持ちがちょっとわかったような気分になります。
フェリー乗船のあと、時間があるということでガイドさんが運転手さんにちょっとグランドゼロへの寄り道を頼んでくれました。本来ツアーには組んでいない場所ですが敢えて皆さんに見てほしいとのこと。今や観光地のようになってしまっていますが、ここは写真を撮ったりするような場所ではない、とNYの人たちは思っているとのことです。ただここに来て祈ってほしいと。
|
超高級アパートのダコタハウス |
サウスストリートシーポートでは、休憩時間、昼食になり自由行動です。建物の中にフードコートがあり、そこで各自昼食をとります。ガイドさんは一緒に行動しないので自分で注文するしかないのですが、比較的簡単に注文できる店ばかりなので大丈夫です。ハンバーガーやホットドック、ピザ、中華などがありますが見ていると年配の参加者はみなさん中華を選んでいました。
ダコタハウスの前も通りました。ここは、セントラルパークを臨む有名な高級アパート。ジョンレノンが住み、射殺されたことでも知られています。セレブが住みたがることでも有名で、かなりのセレブでもなかなか住民から許可がでないというガイドさんのお話。最近ではマドンナが拒否されたとか。
ツアー最後のポイントは、ロッククフェラーセンター最上階の展望台の見学です。ここは入場料が必要ですが(17.50ドル)ツアー料金に含まれているのでチケットのために並ぶこともなく中に入ります。67階まで一気に上がりマンハッタンを一望できる展望フロアへ。ガイドさんも一緒にここまであがってきてくれます。ツアーそのものはここで終了。参加者は現地解散となりました。他の参加者は徒歩で各自ホテルへ戻るということでした。しかし私たちにはこの後、シカゴへ帰宅という予定があったのです。空港へはタクシーで向かうのがベストということで、一番簡単なのは、近くのホテルのフロントからタクシーをよんでもらうことです。時間に余裕があるなら、道路に出て、自分でとめても大丈夫です。アメリカの暮らしになれていても住居を離れればやはり観光客、車を自分で運転することもなく気楽に楽しめるツアーは思ったよりも楽しく、時間も費用も節約できたような気がします。一度はみておきたいマンハッタン、オススメです!
|