シカゴの西にある町Ｎａｐｅｒｖｉｌｌｅ。イリノイ第３位の人口をもち、今年Money Magazineで全米「住みたい街」第二位に選ばれました。ダウンタウンにも通いやすい便利な所にあり、大企業の参入とともに、発展し続けている町です。ほんの２０年ほど前までは典型的な中西部の田舎で、コーン畑が広がっていただけだったこの町は古くからの住民にとっても、驚くばかりの変貌を遂げているようです。

Napervilleを楽しめる場所をを大きく分けると3つ。
市の中心部にあたるDowntown、 昔ながらの街並みが並ぶOdgen沿い、ネイパービルの中でも新しく広がっている地域のルート59沿いです。

★Downtown

屋外パーキングが無料はうれしい

アーリントンハイツ方面からはI-290を南へ、次にI-355を西へ走りI-88を西へ向かいます。Naperville　Roadをおりて南下し、Ogden　Road で左折して７−８分で“Downtown Naperville”の案内表示が現れます。町の中には、いくつか大きな立体駐車場や駐車場があります。料金は無料ですが、、お昼や金曜の夜は混むことがあります。

電車で行くには、Santa-fe　Lineの５th　Stationが便利。駅を降りるとちょっとさびしげな駅前ですがご心配なく。町の中心部は駅からはちょっとはずれたところにあるんです。駅を出てすぐに見えるのはプレーリー6月号でも紹介した、“Dupage Children Museum”。ぱっと目に付くかわいい建物、その中身もユニークです。小さな子供たちに思い切り遊びを体験させてくれます。これからの長い冬、外ではなかなか遊べない子供たちでいっぱいになります。駅を出て、Washington St.を南の方向へ３ブロックほど行くとだんだん人通りが多くなってきます。


★Naperville Promenade

Naperville Promunadoの外観

ダウンタウンには古くからの建物が多く残っています。その多くが近年再開発が行われていて共同ビルになったり、バンガロースタイルの住居が改築されてビクトリアンスタイルの豪邸になったりしています。その一環として立てられたNaperville PromunadoがMain Street　とVanBuren　Avenueの角にあります。この建物、2階から上はオフィスが中心となっているのですが、一階には気になるお店が並んでいます。

Hugo’s Frog Bar & Grill はクラシックな趣のシーフードバー＆グリルです。クラシカルな回転ドアを入るとバースペース、週末の夜は大人の社交場となります。奥にあるダイニングスペースは正統派のダイニング。サーバーのみなさんも白シャツに蝶ネクタイというきちんとした雰囲気のお店です。

メニューは（内容）Oyster SamplerやFried Calamariなどのシーフード系のアペタイザーからメインのPrime Steak,Chickenなどの肉料理、Grillされた数々の魚料理など。EscargotsやFrog Legｓ
もありますので挑戦してみてはいかがでしょうか？

Hugo’s Frog Bar & Grill の外観	プロ顔負けの調理器具もそろえれる

その隣にはキッチン用品の店、Sur La Table。全国チェーンではありますがイリノイ州ではChicagoダウンタウンとNapervilleだけ。さすがの品ぞろえです。食器あり、調理器具あり、お店の奥には料理教室の開催されるキッチンもあります。地元の有名レストランのシェフを講師に招いたり、土曜日には子供向けのクラスもあります。それぞれ単発のクラスなので気軽に参加できそうですね。

店内をのぞいてみると、日本食のアイテムの充実振りに驚かされました。寿司が市民権を持っているアメリカではもはや当たりまえなのかもしれませんが、寿司セット、和食器、お箸、ゴマすり器等々並んでいます。とくに「寿司セット」は一見押し寿司の型なのですが説明を読んでみると巻き寿司の作り方が。なんと、「四角い」巻き寿司をつくる道具でした。他にもル・クルーゼ、重〜い鉄製フライパンＬｏｄｇｅ，ドイツ製、イタリア製、フランス製の調理器具などなど挙げればきりがありません。トングひとつとっても種類が多く、こだわりの自分仕様が選べます。日本製の包丁も売られていて、包丁を探していたお客さんに日本製をすすめていた店員さんを発見！なぜか、うれしくなりますよね。

特にケーキつくりの道具も圧巻。ここまで種類や材質があるのか、というくらいのクッキー抜き型、ケーキ型、デコレーション用品。種類が多いからといって実用一点張りではなく、ちょっとしたプレゼントにするにも最適な小物を探していると時間はあっというまに過ぎてしまいます。ここでならお土産になるような粋な台所雑貨がみつかりそう。

オフィス中心の２階の中にはNaperville　Cultural Centerというカルチャーセンターがあります。このセンターはいろいろな国の文化を知ることを目標にしており、さまざまなコースを選ぶことができます。アートクラスでは漫画クラスやQuilt Jornalsといういっぷう変わったキルトのクラス。これはただ布地をつかったものではなくて、自分の日記、写真、その他自分の歴史がきざまれたものをキルトに織り込むといったもの。ダンスクラスでは最近ダイエットに効果的だと話題のBelly Dance、Hawaiian Dance、Indian Danceなどなかなか体験できないようなクラスもあります。ほかにも妊婦用、親子用ヨガクラスや幼児用の音楽クラスなど個性的なクラスがいっぱいです。

いろいろな文化を学んでみようという趣旨は語学クラスにも表れています。定番のスペイン語はもちろんロシア語、ポーランド語、ヒンズー語、リトアニア語などこれもまたユニークなラインアップです。もちろん日本語クラスもあります。

Jefferson Ave.

ビルの向かい側、駐車場をはさんだ道はメインストリートのJefferson Ave.この通りにはレストランやショップが軒を連ねています。

Catch Thrity fiveは、一見ちょっと入りにくい印象も受けますが、回転ドアの向こうは天井の高い、モダンな内装のシーフードレストラン。今回ランチに出向いたのですが、シーフード中心のメニューから選んだのは２種類のスープ。クラブビスクは文字通り蟹風味のスープ、蟹の風味たっぷりでさっぱりといただけます、もうひとつはフィッシュチャウダー。貝、海老、白身魚がふんだんに入った、魚の出しのきいたスープ。スープにまさに「あぺたいと」を触発され、メインを心待ちに。コンボという、海老、ホタテ、クラブケーキから２種を選んだものに付け合せの野菜、ライスかポテトのついたセットをオーダー。サラダには、メインにも十分なりそうなボリュームのシーフードコブサラダをチョイス。ホタテ、海老、蟹の身などのシーフードがこれでもかとごろごろ乗っかったサラダをレモンとディルのドレッシングでいただきます。これだけでお腹いっぱい・・・。味、ボリュームともに文句なしなのですがドレッシングがちょっと多すぎたのがちょっと残念でした。読者の皆様はドレッシングは別にしてもってきてもらうといいかもしれません。

サーバーの感じもとてもよく、楽しく食事のできるお店です。ここのサーバーは感じがいいだけでなくイケ面そろいで、それだけでも良い気分の味わえたランチでした。

Quigley’s Irish Pub は、素朴なイギリスの酒場のような内装で黒ビールを楽しめます。アメリカのスポーツバーとはまたちがった落ち着いた雰囲気の中で飲むビールの味はまた格別。イギリス人の友人に薦められたこのパブは、何をかくそううちのだんなのお気に入りの一軒です。週末の夜はライブ演奏を楽しんだり、パティオでおしゃべりを楽しんだりとさまざまな楽しみ方のできるこのお店、パブといってもランチ営業もしており、シェファードパイなどのアイリッシュ伝統の料理をいただけます。マッシュポテトの上にビーフシチューを乗せてしっとりとしたパイで包んだこのパイはしっかりとお腹を膨らませたい！というときにぴったりのボリュームです。

可愛い雑貨店が入るPawpaw Corner

昔ながらの家屋を利用してできているPawpaw Cornerには思わず立ち寄りたくなるような小さなショップが集まっています。観光地のお土産やさんのような雰囲気のかわいらしい店内に足を踏み入れてみるとまず目に付くのが、北欧の家具、雑貨をあつかうNordic Shop。小さな店の中に素朴で暖かな小物たちが並びます。おしゃれなレター用紙など紙関係ならPaperGirl.　用途や趣味にあわせて選べるレターセットやカード類。ちょっとしたプレゼントに最適なおしゃれな文具を探してみてください。

Isabel Bloomは手作りの彫像の専門店。無垢な子供たちや親子のシンプルな像が中心ですが季節もののハロウィーンのかぼちゃなどが並ぶこともあります。　

すっかり市民権を得たビーズアクセサリーですがここにもビーズ専門店Kasie’s Beadsがあります。お店の中は色とりどりのビーズたちで色と光の洪水のよう。（カラーでおみせできないのが残念！）チェコグラスやスワロスキーグラスをはじめ、ベネチアン風のビーズやメタルビーズ、淡水パール風のビーズもあります。オーナーのKasieさんは（実際の年齢も若いのですが）小柄で繊細、まるで少女のような雰囲気。本当にビーズが好きで、楽しんでいるという雰囲気が店内にあふれています。ビーズクラスやお友達とのビーズパーティーを開くことも出来ます。

シーフードが美味しいCatch35
Kasie’s Beadsのビーズ。お店で綺麗なビーズを見たら、つい何か作りたくなるかも。

★ Riverwalk

美しい音楽を奏でるCarillon Tower

ここはDuPage Riverにそって作られた散歩道で、噴水やベンチ、小劇場などが設置され人々の憩いの場所になっています。鳥たちの遊ぶ静かな小川を挟んで自然を楽しみながら散策することができます。川には屋根つきの木造橋がかかっていますがこの橋もNapervilleのランドスケープのひとつです。ここでは、９月１６日１７日にアートショーが行われ、地元から、またさまざまな地域からの参加者が出展しています。ぜひ、一度足を向けてみては？（River Walk Fine Art Fair）

RiverWalkを西に歩いていくと見える高い塔は、Carillon Tower。さまざまな鐘の音で曲を演奏します。下は１０ポンド、最大では６トンもの重さの銅製の鐘７２個が心地よい音色を奏でます。世界４大Carillonのひとつといわれています。毎日定時に自動演奏されるほか、夏の時期には世界中から演奏家が招聘されたコンサートが行われます。この塔のたつ広場は暖かい季節には一面の緑で覆われ、ピクニックするにはもってこい。冬、雪が積もるとその緩やかな丘が恰好のスロープになります。地元の子供には人気のそり滑り場です。

River Walkを歩いていると見えてくる池のようなもの。秋冬にはこれはまさにため池のようにみえますが、これはパーク　ディストリクトの公営プール、Centennial Beach。人工ビーチつきのプールになります。砂を踏んで水にはいれば（水はしょっぱくないし波もたたないけど）気分は海水浴！？

最近ではあちこちで見かけるスケートボーダー。このビーチの隣にはスケートパークがあります。様々なスロープの台があり、放課後や土曜日曜はスケートボーダーでにぎわいます。　

River Walkで散歩も気持ちいい
ビーチまであるのは驚き	スケートパーク	かわいらしいボーダーのオブジェまであるんです

★Ogden　Avenue

ギロスが人気のGemato's Wood Pit BBQ

界隈には昔ながらの住宅街や小さいモールが並びます。開発に取り残されたようなさびしいモールもありますが意外とそういうところに面白い店があったりします。

Gemato's Wood Pit BBQは、ルート34、(Ogden Rd)沿いにあるリブとギュロスのお店。寂れたモールの角にぽつんとあるファストフードタイプの小さな店ですが、特にギュロスがボリューム満点でおいしい。中東系のおじさんたちがもくもくと仕事しています。内装も西部開拓風になっていてなかなか面白いです。

Indian harvestもやはりOgden Rd沿いのモールにあるぽつんと入っているインド料理のお店。開放的な窓に面した店内は明るい雰囲気。値段もびっくりの安さ。インド人の方にすすめられて見つけたお店です。平日のお昼はお客さんがひっきりなしで人気のほどがうかがえます。昼のランチバフェは特にお勧めです。メニューは毎日かわり、サラダ、野菜系カレー３種、肉系カレー２種、スープ、デザート、フルーツになっています。席に着き飲み物をオーダーすると、ほどなく鉄板に乗ったあつあつのTandoori Chickenが運ばれてきます。じゅうじゅうと湯気のたったチキンは表面ぱりぱり、中身しっとり。同時に運ばれてくるNaanは、カレーと一緒にいただくと何枚でもいけそうです。

お値打ちなのに美味しいIndian Harvest	ジューシーで柔らかいタンドリーチキン

Jin's Mandarinは、モールによくある普通の中華レストランですがここの味は日本人の口にあう、さっぱりとした味です。お昼のバフェは値段も手ごろ。激戦区のNapervilleにあって長く続いているのもうなずけます。バフェはスープつき、牛肉春巻きなどの揚げ物、チンジャオロースー、鳥の甘酢、肉団子、炒め物、やきそば、チャーハンと基本的な中華料理を網羅しています。テイクアウトもあるのでちょっとした中華のお弁当のように利用することも可能です。問題はメニューが基本的にほとんど変わらないことですが。それでもかなりの頻度で利用してしまうのはお得感からかも。

ここは、正確には住所は隣町Lisleになるのですが、Ogden通りにあるChinn’s 34 Fishly.これはWheelingにあるChinn’s　Fishlyの郊外店です。外見は一見「寂れた中華料理店」風でちょっと不安になるんですが、シーフードを専門としたレストランです。キングクラブ、大きな海老、ロブスター、などをお客さんが嬉々として楽しんでいます。

最初に頼むアペタイザーのシュリンプからして大きい！最初から食べたー、という感じになりメインが食べられるかどうか不安になってきます。スープもおすすめ。特にロブスタービスクは濃厚なロブスターの風味がしっかりしています。ボウルで頼むとそれだけでおなかいっぱいになってしまうのでカップで注文しましょう。忘れてならないのがパン。丸い普通のパンなのですが、ガーリックバターにじっとりとひたされていて、これがもうやめられないおいしさなんです。ただのパンというより、アペタイザーとしての役割十分。

お店はちょっと時代遅れのダイニングルームという感じ。どういうわけか大皿、取り皿、コップはプラスティックで、そのあたりにはあまりお金をかけていません。それでいて雰囲気はそれほどカジュアルな感じではありません。なんだか不思議なこのバランス。おそらく、そのギャップが価格の手ごろさに反映しているのではないでしょうか？キングクラブは身がぎっしりつまっていて、ひたすら食べ続けてしまいました。ほかにも牡蠣、ツナ、ひらめ、などの魚料理、ほたて、ムール貝などもいただくことができます。

Chinn’s 34 Fishlyのサイン	ちょっと寂しい外観でも味は抜群	シュリンプカクテル
香ばしいガーリックがきいたブレッド	ロブスターも半身が丸ごとのパスと	クリーミーなエビグラタン

★ ルート５９

中心部からちょっと離れていますがもともとは見渡す限りのコーン畑のあった場所。まだまだ南にいくとサイロがあったりしますが現在では開発がすすみ、住宅地やモールがどんどん増えているネイパービルの中でも新しい町の地域です。この通りは、大型ショッピングスポットが並んでおり、何でもそろう便利さから地元の人にとってはなくてはならない買い物エリアとなっているため、いつも道が込み合っています。

Crate and Barelのアウトレット

Crate and Barel Outletは、Jefferson Rd.を左折すると、すぐにみえるガラス張りの建物です。雑貨好きにはたまらないCrate & Barelのアウトレット。裏が工場になっていて、広大なビルの一部がアウトレットになってます。広い店内にはお手軽価格で商品がならび、食器、季節商品、生地商品の半端モノのサンプルなど、宝探し気分が楽しめます。他のクレートアンドバレルのアウトレットと違い家具がたくさんそろっています。モダンな家具が少々の傷などを理由にお手軽価格になっていたり、季節商品、廃盤商品なども安くなっている場合があります。

75thを左折してしばらくいったRicket　Drive沿いのモールにBobak Sousage Co。　もともとChicago、Burr Ridgeに店があったのですがNapervilleにも第３の支店ができています。おいしいヨーロッパ系のハムやソーセージ、食品を買えるお店です。対面式デリで注文するハムやソーセージはヨーロッパの個性そのまま。BobakブランドのStrig Tied Smoked Humは肉がしっかり縛られたおかげで肉汁がしっかりハムの中に残ってやわらかくジューシー。どこでも買うことのできるSmoke Humもここのものは塩加減も程よく、食感はソフト。それでいてお値段も普通のデリより安い！お肉も新鮮でおいしいのでクーラーボックス必携です。それ以外でもピクルス、ジャム、ザワークラウトなどヨーロッパの味を楽しめます。併設のレストランではランチ、ディナーのバフェがあります。目移りするほどの種類でアメリカンレストランではお目にかかれない東欧系の料理を楽しむことができます。デザートももちろん多種ですが甘さひかえめとはいえないようです。

NapervilleまできたのならChicago　Premium　Outletにもいってみましょう。真夏と真冬はかなり厳しいアウトドア型のOutletですが、お値打ち品がたくさん。11月号ぷれーりーで特集を組む予定なのでこう御期待。

たくさんのレストランがあるということで競争も激しく、店の開店閉店もかなり頻繁にみられます。取材中にもまもなく閉店するといわれてびっくりした例がありました。もしNapervilleのお目当てのお店がある場合はあらかじめ確認しておくほうがいいかもしれません。