ビールの季節がやってきましたね。日本だったら、ビアガーデンやお祭りなど外で飲むのが気持ちよいこの時期、残念ながらシカゴでは公園で飲んではいけないし、ビアガーデンなんてものもあんまりみかけませんよね。皆さんはどんな風にシカゴのビール生活を楽しんでいるのでしょうか?
数年前にぷれ〜り〜の特集でビールのブラインドテストをしたときは、日本のビールが軒並み上位にランクインしました。ミツワでは日本のビールも充実の品揃えで、ついつい、慣れ親しんだビールを買ってしまう方も多いかと思います。でも、今年の夏はちょっと違ったビールにもチャレンジしてみては??
★ビールを造ってみよう
自分の好きな味のビールを家でも手軽に作れると聞き、ビール作り15年のGさんにお話を聞いてきました。
取材班(以下取)こんにちは。本当に簡単につくれるんですか?
Gさん(以下G)ええ。材料と場所さえあれば誰でも作れますよ。趣味はビール作り、という人は僕の友人でも結構います。秋口に一気に作って冬から春にかけてじっくり楽しむのが一般的です。ワインとは違うので新鮮なうちに飲みきる必要がありますから、だいたい作ってから2−4ヶ月くらいで飲みきるようにしています。
取 どんな材料が必要ですか?
G キットが通販などでも売っていて、大体のものは揃えられます。それ以外に、煮沸消毒に使う小さなフライパンやビールを作るときに使う大きな鍋があればだ大丈夫です。ビール瓶やその他の道具は毎回使いまわせるのですが、びんのふたは毎回買います。
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ビール造り専門の通販カタログ
自家製ビールは奥が深いのです・・・
自分で造ったビールの味は格別でしょう! |
取 どんな種類のビールができるんですか?
G 自分の家で作るには、Aleというビールが簡単でしかもおいしくできます。Aleはイギリスから来たビールなのですが、一般的に日本で飲まれているラガーとは違って炭酸もきつくなく、飲むときもキンキンに冷やさずに飲みます。色もキリンやサッポロのような透明な薄い黄色ではなく、アンバーと呼ばれるようなオレンジ色の濃いものが多いです。
作るときに必要な発酵の温度も、20度くらいなので失敗も少なくできる、というメリットもあります。初心者にもお勧めです。Aleのなかでも味がいろいろあります。カタログを取り寄せてみるとその数にびっくりされると思いますよ。
取 エール以外のビールもできますか?
G エールの一種ですが、「Staut」(スタウト)と呼ばれるいわゆる「黒ビール」といわれる泡が厚く立つ味わい深いビールも造れます。飲み口もさわやかな炭酸系とは違ってまろやかでこっくりとした感じで、まるで穀物を食べているような、お腹がそれだけでいっぱいになってしまうようなビールです。ビールそのものをゆっくり楽しみたくなる味です。
取 いろいろあって迷ってしまいますね。一度に作る量はどれくらいなんですか?
G 一つの種類を5ガロンほど作ります。12オンスのビンで約48本分です。僕はいつも2−3種類のビールを作って毎晩違う種類を楽しみます。クリスマス時期にむけて「クリスマスエール」なんてのも作ったことがありますよ。
取 5ガロンですか!?おいしくなかったら辛そうですね。
G そのためにもある程度自分が好きなタイプのビールを探しておくことは大切ですね。スーパーの酒売り場にも沢山あるけど、酒専門店に行くともっとマイナーなビールもあります。そこでいくつかエールを買ってきて試してみて自分の好きな味を探してから作ってみてもいいかもしれません。インディアンペールエールなんかは飲みやすいし作りやすいですよ。
取 5ガロン作って材料費はいくらくらいなんですか?
G 作る種類にもよるけど大体$30−35の間くらいです。(材料のみの値段)一本70¢するかしないか?くらいなのでお店で買っても値段の高めのエールにしては、安く楽しめます。
取 それでは具体的な作り方をざっと説明してください。
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ビール造りキット・・・本当においしいビールができてしまうのです |
G まずイーストの発酵からはじめます。キットの中にも入っていますがイーストの袋を開けずに手のひらで中の小袋を割ります。袋がパンパンになるのでその状態で1−3日待ちます。その間に大きな鍋にホップとモルトを約3ガロンの水でゆでます。ホップとモルトがちゃんと混ざり合ったら、この麦汁(wort)を冷まします。冷ましてから今度は別の容器に移し替えてイーストと混ぜ合わせ発酵のプロセスに進みます。発酵には大体14日間かかります。
その後、容器を移し変えて今度は糖分を加えて炭酸成分を出します。なぜまた別の容器なのかというとイーストの沈殿物を含んでしまうのを避けるためです。これが入っちゃったらおいしくないですからね。
これで大まかな過程は終了です。その後12オンスの瓶48本にビールを注ぎふたをします。これもキットに入っているから流れ作業感覚でできますよ。ふたはあらかじめ煮沸消毒しておいた方がいいですね。この状態で2週間くらい寝かせておくのが理想的です。開けたときに程よい炭酸が楽しめます。
取 なるほど・・・。買うからには毎年やってみたほうがお得ですね。
G そうですね。一度キットを買ったら毎年いろいろな味で試してみると楽しいですよ。僕も友人とそれぞれ違う味を作ってクリスマス時期に交換し合ったりします。キットは100ドルくらいで買えますから趣味としてはじめてみてもいいんじゃないかと。理科の実験みたいで面白いし。この秋口からはじめられてみてはいかがですか?
取 アメリカならではの大人な趣味でちょっとかっこいいですね。今年のクリスマスプレゼントにビールを配りまくっている日本人が増えそるかも・・・。
William’s Brewing
2594 Nicholson St.
San Leandro CA 94577
www.williamsbrewing.com
★ぷれ〜り〜特選!!おすすめビール
たーくさんあるビールの種類の中からお気に入りを探すのは大変!今回取材班の中で特に人気の高かったビールを紹介します。レストランでお店でぜひ試してみて下さいね。
A |
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Chocolate
Stout
Stoutは、黒ビールのことですが、Chocolate
Stoutは、ダークチョコレートを思わせるような色と焙煎の香ばしい香りからこの名前がつきました。深くローストしたモルトをつかっており、泡がまるでシェイクのように厚くもったりとたちます。食後にゆっくり楽しみたいビールです。お酒好きのお父さんのバレンタインのギフトにもおしゃれでおすすめ。
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B |
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Pilsner
きめ細かな泡とまろやかな味が特徴のラガービール。すっきりとして飲みやすく、爽快なのど越しが特徴です。日本の大手ビールと同じラガービールなので日本のビールに慣れ親しんだ人にはビールといえばこれっと思うでしょう。チェコが発祥の地。
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C |
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Brown
Ale
深みのある赤色のビール。キャラメルのような甘い香りのするキャラメルモルトとコーヒーのような香りのローストモルトをブレンドして作られるため、口に含む麦芽(モルト)の甘苦い風味が広がります。口当たりが甘くマイルド。ビールの苦味が苦手という人にはぜひ試してほしい。
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IPA
(Indian Pale Ale)
Pale Ale は、ホップが多めに入っていることによる苦味とフルーティーな香りが特徴のビールですが、IPAは、その昔、インドがイギリスの植民地だったころ、イギリスからインドまでの長旅に耐えられるようにアルコール度数を高くし、保存料となるホップを通常の何倍も入れて作られたビール。ホップの良い香りと苦味が特徴。
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E |
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Apricot
Ale
アプリコット(あんず)エキスを加えて仕込む、少し濃い黄金色〜アンバー色のフルーツビールです。さわやかでフルーティーな香りが女性に人気。さっぱりとしたのみ心地で、香り味ともにバランスが取れています。
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