〜子どもたちに伝えたいこと〜
一つ一つの家族にある、その家族だけの伝統や習慣。大人になって、ふとした瞬間に思い出す
幼い頃の家族との思い出が皆さんにもあると思います。
私の家族にも、家族全員で行う事がありました。それは、沖縄の実家の前にある細い一本道での事。学校へ行く時も、仕事へ行く時も、皆が通る細い道で行います。
私の育った家は小さな家でしたが、よく両親のお友達や親戚が集う家でした。皆で食卓を囲み、大人から小さな子ども達まで笑い声がよく聞こえる小さな家でした。日が沈み、星空が見える頃、皆は自分の家へと帰っていきます。
私の両親がすっと立ち上がると、家族全員、家の前の一本道の横に立ち並び『お休みなさい!またね!』と大人も子ども達も手を振りながら見送ります。車を走らすお友達も、窓の外に手を出して『またね!』と言うように手を振ります。
雨の日も、風の日も私の家族の小さな伝統は続けられました。
子ども達は大きくなり、自分の家族を持つようになり、私にも小さな甥と姪ができました。兄の家で食卓を囲み、昔のように笑いながら時間を過ごしていきます。楽しい時間も終わり、帰る時間になりました。私が玄関に向かって歩き出すと、小さな甥と姪達も急いで靴を履き、兄の家の前にある一本道の横に立ち並びます。小雨の降る中を私が車に乗り込み、見えなくなるまで手を振り続けてくれました。『またね!気をつけてね』小さな甥や姪は大きな声で言いました。
走り出す車の中、遠くに並ぶ兄家族に手を振りながら心が熱くなりました。家族で行う小さな習慣...その経験は温かく、家族の絆を子ども達に伝えます。言葉では表現できない温かさが子ども達の心に残り、その行いと想いが子ども達に受け継がれ、子ども達が大きくなった時、寄り添える思い出となるのです。
子ども達と一緒に、心に残るその家族だけの特別な事。お膝に乗せて歌ったり、お散歩に出かけたり...小さな事でも幼い子ども達の心には温かい家族の優しさとして残るのです。これから大きくなっていく子ども達の為に、そしてその子ども達の子ども達のへ...家族の温かさ、たくさん伝えてあげたいですね。
大きく育て!子ども達!
元気に育て!子ども達!