〜小さなこどもの 大きな勇気〜
教室に小さな貝殻を置きました。子ども達は嬉しそうにきれいに光る貝を持って積み木で作った小人のお城へと向かいます。
お片づけの時間が近づいた頃です。さっきまで楽しそうに遊んでいた女の子が私の所へ暗い顔してやって来ました。
彼女の小さな手のひらには、5ピースに割れた貝が握りしめられていました。
女の子は小さな声で言います。『先生...貝 壊れちゃった...積み木を片付けようと思ったら膝で踏んじゃった。ごめんね...』
『怒られるかも...』心配でたまらなく、顔を上げる事すらできない様子でした。女の子は小さく割れた貝を見つめています。
勇気を振り絞って謝る5歳児の姿に、心打たれます。『いいよ。いいよ...正直に言ってくれて ありがとう。でも、怖くなかった?怒られると思ったんじゃない?』小さな彼女は言いました。
『うん...怖かった。でも、言わなきゃいけないと思った...』
その女の子の隣には、いつもその子と仲良くしているお友達が同じように心配な顔をして私と女の子のやり取りを見守っていました。話を聞いてみると、一緒に遊んでいたお友達も『大丈夫だよ。』と勇気づけてくれたというのです。
失敗やあやまちを正直に認める....小さいながらに勇気ある行動です。
『たかが貝殻一つで...』と大人の私達から見ると大げさな話かもしれません。しかし、この小さな経験の積み重ねが 心が育つ幼児期にはとても大切な経験なのです。
子ども達が問題に直面した時、彼らが自分達の力で『どうすればいいのだろうか?』と考え、正しい道へ向かって進めるようになるには、子ども達を温かく見守る環境と心境を分かち合える仲間達が必要なのです。失敗を通して子ども達はいろんな感情を経験します。失敗も成功も、不安も勇気も彼らの心はしっかりと感じ、その一つ一つの感情が彼らの心に刻み込まれているのです。その素晴らしい経験の積み重ねが彼らを素晴らしい大人へと成長させてくれると信じています。
大きく育て!子ども達! 元気に育て! 子ども達!
大きく育て!子ども達! 元気に育て!子ども達!
聖マタイルーテル日本語幼稚園 子ども達の成長日記