“ごめんね”の心
幼稚園での出来事です。 いつも仲良く遊んでいるちから君ときよし君。遊んでいるうちにふざけすぎたちから君、きよし君のほっぺをぎゅーっとつねってしまいました。 きよし君は痛さと悔しさで、小さな顔は涙でぐしょぐしょです。『大丈夫?』周りで遊んでいたお友達も心配してよってきました。ちから君は
,『先にきよしが強くやったでしょ!』と走っていってしまいました。二人はずっと話をしないまま、おやつの時間になりました。きよし君から距離を置いていたちから君でしたが、列に並んでいるきよし君の側へ駆け寄り、『ごめんね。』の一言。 ちから君、遊んでいる間もずっと泣かしてしまったきよし君の事を考えていたんですね。
プレイグループや公園などで、自分の子どもが相手の子どもとけんかになったり、意地悪をしてしまった時、『ほら!ごめんなさいは?』と謝らせてはいませんか? その行為は、その場の状況を治める一時的な手段なのかもしれません。相手の保護者の手前もあり、とりあえず謝らせる...しかし、それが子ども達からの心からの“ごめんなさい”なのかというと、そうではないのかもしれませんね。“ごめんなさい”を言う事はとてもたいせつです。しかし、子ども達が自分の失敗に気づき、反省した気持ちを言葉とともに行動で示す事が本当の『ごめんなさい』の意味なのです。それは、子どもが小さければ小さいほど、大人の私達が教えていかなければなりません。子ども同士のけんかでも、自分が悪くないのに状況を把握していない大人が間に入り、『早くごめんなさい!って言いなさい!』では、子ども達も納得いかない場合だってあります。そうではなく、『OOちゃん、あなたに意地悪されて泣いていたね。どんな気持ちだったんだろうね。』と子どもに相手の気持ちを考えさせる時を持たせてあげる事が大切だと思います。『じゃあ、どうしたらお友達に笑顔がもどるかな?』と聞くと子ども達は、彼らなりの素晴らしいアイディアを聞かせてくれます。その提案の中には、“ごめんなさい”の気持ちも含まれています。
子ども達は遊びを通して沢山の素晴らしい失敗をします。お友達とけんかしたり、意地悪をしてしまったりと、ごめんなさいを言う機会が山ほどあります。 その繰り返しで、ちから君の様に子ども達は、大人が見ていなくても相手の気持ちを考え、ごめんなさいが言える心の優しい子になるのです。