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11-2017

ワールドシリーズで起こった人種差別騒動

時間にしてわずか2秒。メジャーリーグ、ヒューストン・アストロズのユリエスキ・グリエル内野手の行動が大問題となったのは10月27日に行われたワールドシリーズ第3戦でのことだ。

シーズンのチャンピオンを決める一大イベント。その試合に「5番・一塁」で出場したグリエル選手は二回の打席でロサンゼルス・ドジャースのダルビッシュ有投手からソロホームランを放った。チームを勢いづける先制点。同選手はベンチに戻ると興奮気味に仲間たちと言葉を交わしながら、自分の両方の目尻を引っ張るようにしてつり目にするしぐさをしたのだ。

それは、誰もが知っているアジア人を侮蔑するジェスチャー。マウンドで投げているのは日本からやってきたダルビッシュ投手を指しているのは間違いなかった。

その一連の様子をテレビカメラがとらえる。その映像がツイッターやインスタグラムといったSNSによって瞬く間に拡散される。アメリカだけでなく、全世界へ。

ユリエスキ・グリエル選手

「グリエルはレイシストだ」。

ホームランを打った選手をカメラが追うのは決して珍しいことではない。グリエル選手もそれを知っていたはずだ。にもかかわらず、人種を差別するしぐさをしたのは日常の会話の中でも使っていたからだろう。

そんな大きな意味をもつなんて知らなかった。侮蔑するつもりはなかった。それらの言い訳は嘘ではないと思う。なぜなら、キューバ出身の同選手はここアメリカではダルビッシュ投手と同じ外国人。しかも、2014年には一時期、日本プロ野球でプレーした経験がある。そんな大ごとになるとは思いもせず、軽い気持ちでやったのだ。

現在、アメリカのプロ・スポーツ界では人種差別への抗議行動が大きな注目を集めている。NFLでは国歌斉唱時に片膝をつく選手が続出。NBAでも選手たちが反トランプ派を公言するなど、大きなうねりが起こっている。

メジャーリーグ機構(MLB)も即座に動く。ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーが騒動の翌日にグリエル選手を事情聴取。ダルビッシュ選手とも会って意見を求めた。

第4戦の試合前には緊急会見が開かれ、同コミッショナーは遺憾の意を表すとともに同選手の行為を厳しく非難。さらに「来季開幕5試合の出場停止」、「停止期間中の給料の慈善団体へ寄付」などの処罰を科した。

MLBの裁定が下された後、グリエル選手とアストロズ球団はそれぞれ声明文を出し、前者は後悔と謝罪を、後者は失望を文書で示した。

これにて一件落着。

しかし、そうはならなかった。

ダルビッシュ有投手


第4戦の試合開始直前。ドジャースのベンチの中で円陣が組まれた。日本プロ野球界では日常的だが、メジャーリーグでは異例のこと。そして、円陣の中である選手がこう叫んだのだ。

「ユウのためにこの試合に勝とう!」

こともあろうか、一連の人種差別騒動を試合の中に持ち込んでしまったのだ。

ドジャースは鮮やかな逆転勝利で第4戦を制する。母親が日本人で沖縄生まれのデーブ・ロバーツ監督は選手たちの行動を称えたことにより、メディアはこぞって、チーム一丸となって被害者・ダルビッシュ≠サポートし、人種差別に打ち勝ったと言わんばかりに試合前の出来事を美談として報じた。

戦いの場をヒューストンからロサンゼルスに移した第6戦ではこんなシーンもあった。

グリエル選手が打席に入ると、ドジャースファンで埋まったスタンドから大ブーイングが起こった。そこまでは誰もが予想できた展開だ。前日の記者会見でもアストロズのAJ・ヒンチ監督がそう話していた。

想定外だったのはマウンド上のリッチ・ヒル投手がなかなか投げなかったことだ。一旦マウンドを降りて地元ファンのブーイングをあおったのだ。試合後に自身の行動を人種差別反対の意思を示したかったためと説明した。

ドジャースの選手たちの行動に違和感を覚えた。

差別行為を受けた日、ダルビッシュ投手はこんな話をしている。

「完全な人間はいない。彼(グリエル選手)もそうでしょうし、僕もそうでしょうし、ここにいる人たちもそうでしょう。このことも彼の中での1つのミス。ここから多くの人が色んなことを学べると思う。大きなことになるけど、人類としてまたひとつ学び、前に進むステップになれば、ただのミスで終わらないんじゃないかなというふうに思います」。

ダルビッシュ投手のメッセージは極めてシンプル。同じ人間なのだから差別は絶対にやってはいけない。ただそれだけ。処罰を求めたのは犯した過ちの痛みを忘れないためだ。

日本でも大きく報じられた今回の騒動。大切なことを学んだ人は少なくないはずだ。


 
     
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