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日本人大リーガーに"異変"が起こっている。けが人が続出しているのだ。ヤンキースの松井秀喜外野手は左手首骨折、メッツの松井稼頭央内野手は腰痛、ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ野茂英雄投手は右ひじ痛で戦線離脱。デビルレイズでメジャー1年目を迎えるはずだった森慎二投手に至っては開幕前に右肩を痛める不運。過去に例のない受難のシーズンとなっている。
目を覆いたくなる光景だった。
5月12日、ヤンキースタジアム。1回の守備で浅い飛球にスライディングキャッチを試みた松井秀外野手が、左手首を抑えてうずくまった。捕球体勢に入った時にグラブを芝に引っ掛けてしまい、全体重が手首に乗ってしまったのだ。グラブが取れた左手は不自然な曲がり方をしたまま。歯を食いしばるその顔が痛みの激しさを如実に物語っていた。監督とトレーナーに付き添われそのまま退場。巨人時代の93年から続いていた日米通算連続試合出場記録は1758試合(日本1250、米国518)でストップした。
日本でも大きなニュースとして報じられた松井秀のけが。実はこれが今季、日本人大リーガー4人目の故障者だった。1人目はデビルレイズの森投手だった。オフにポスティングシステムを使って西武から移籍。その能力を高く評価され、2年契約で合意。抑えとして期待されていた3月、スプリングトレーニングの投球練習中に右肩を脱きゅうした。手術は回避したものの、診断結果は右肩関節唇損傷。復帰のめどは立っていない。
2人目の被害者は同じくピッチャーの野茂投手だ。開幕直前にマイナー行きを告げられた後、4月21日に右ひじ炎症で故障者リスト入り。6月に入ると球団から契約を解除され、フリーエージェントに。リハビリは8月中旬まで続けると発表された。
大家投手は、5月1日のアストロズ戦で右肩に痛みを訴えて降板。精密検査の結果、右肩回旋筋の部分断裂が判明。全治1カ月以上と診断されたが、初めて打撃練習に登板したのが6月24日。復帰はオールスター後までずれ込むことになりそうだ。
松井秀の骨折から約1カ月後、5人目の犠牲者となったのが松井稼内野手だ。6月9日にメッツからロッキーズへトレードされ、3Aで再出発に意欲を燃やしていた矢先に腰を再発させた。2年前にも痛めた箇所。慎重にリハビリを続けていく方針だ。
今年3月の大リーグ特集号で紹介した、今季メジャーで活躍が期待される日本人選手は15人。実に3分の1が前半を折り返す前に戦線離脱を余儀なくされている。今や日本人対決は当たり前にはなっ
ているが、その数が減ってしまうというのはファンにとってさびしいはずだ。一日も早く元気な姿でフィールドに戻ってくることを切に願う。
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