医学誌「Gut」に2020年1月29日に掲載された、カナダの
University of Calgary 教授の Raylene A Reimer,
PhD らの研究で、「妊婦が高脂肪/ショ糖の食事に並行して低カロリー甘味料(ステビア等)を摂取すると、体重の調整、グルコース(ブドウ糖)の制御、そして腸内微生物相などが混乱・崩壊することが母親だけでなく、出産後の子供にまで起こる。 子供自身は低カロリー甘味料を摂取していないにも関わらず」、と報告しています。
今日では、砂糖が健康に及ぼす悪影響が一般にも知られるようになり、砂糖の代替品としてナチュラル スイートナー(自然甘味料)と呼ばれる低カロリー(ゼロ カロリー)甘味料のステビア(stevia)やアスパルテーム(aspartame)などが、カロリー削減や体重減少の目的で使用されるようになりました。
しかし、そういった低カロリー甘味料も、砂糖と同様に体に悪影響を及ぼし、しかも妊婦さんが摂取した場合、胎児にも悪影響があると判明したのです。
研究を主導したReimer教授は、「低カロリー甘味料は妊娠中や授乳期でも安全であると考えられていた、しかし、人体を用いた他の研究によって低カロリー甘味料は体重の増加や他にも心臓循環器系リスクファクターを上昇させるという証拠が発現されている」と述べています。
今回のネズミを用いた研究では、「アスパルテームや他の低カロリー人工甘味料の自然代替品として歓迎されたステビアでさえも、子供の幼少期の肥満リスクに他と同様の影響が見られた」と指摘し、「よい栄養の摂取を含む健康的な妊娠が、健康的なベビーの為にも重要である」とReimer教授は述べています。
低カロリー甘味料は、カロリーが少なく肥満に良い、健康に良い、というイメージを持つ人が多いと思いますが、現実は、カロリーが少なく痩せる効果があると期待して摂取しても結果的に太る、体重が増える、そして心臓循環器系の病気のリスクも高くなることが研究で判明していました。 それは、妊婦さんに限らず低カロリー甘味料を摂取した人なら皆に起こり得ることです。
今回の研究では、妊婦さんが妊娠中に低カロリー甘味料を摂取すると、体重の調整、グルコース(ブドウ糖)の制御、そして腸内微生物相などが混乱・崩壊するという健康上の不利益が、低カロリー甘味料を摂取した母親だけでなく、それを自身は摂取していない子供にまで出産後に起こるという事は判明したのです。
妊婦さんの食生活が子供の未来の健康にまで影響するということですから、これは後で取り返しがきかない点で大変恐ろしいことです。
低カロリー甘味料は、多くの飲料品や加工食品に用いられています。 砂糖も有害ですから355ml(12oz)の1缶に39g(小さじ9.75杯)の砂糖を含有しているコカコーラを飲むのも大問題ですが、ダイエット コークやコーク ゼロ等の2カロリー程度の商品にはaspartame
や acesulfame potassium といった低カロリー甘味料が使用されているのでお勧めできません。
加工食品を購入される場合は成分表(ingredients)を必ず見て確認し、sugar(砂糖)が多いもの、特にadded
sugar(砂糖追加)のものは避け、また今回の研究の結果から、aspartame(アスパルテーム)、stevia(ステビア)
や acesulfame potassium(アセサルファーム ポタシウム)
などの低カロリー甘味料が使用されている食品は避けましょう。 また、high
fructose corn syrup (HFCS:ハイ フルクトース コーン シロップ)も、発癌性のリスクが指摘されているので要注意です。
妊婦さん自身の健康、そして生まれてくる赤ちゃんの健康のために、この情報が良く立てば幸いです。