米国では、信号待ちをしていて追突されるなど、交通事故の被害者になることが少なくありません。意識消失、出血性外傷、呼吸困難など重篤な症状がある場合はER(救急)で処置を受ける必要がありますが、救急に受診するほどではない場合、どうすればよいかご存知ですか。
車の損傷が大したことがなく、身体的にも酷い痛みがなければ市販の鎮痛剤を服用して様子をみたり、家庭医に受診して鎮痛薬や筋弛緩剤を処方されたりする方もいらっしゃいますが、実はそれらは適切な方法ではありません。
医学書「The Cervical Syndrome」でRuth Jackson医師は、「衝突によって車が受けた損害の程度は、乗員の受けた負傷の程度を暗示するものではない」と述べ、車の損傷度合いが軽微でも乗っていた人の身体には大きな衝撃と負荷が加わっている可能性を指摘しています。
人の頭は平均で体重の10%の重量があり、それを細い首が支えているので、衝突された際に首の筋肉、靭帯、関節包、頚椎に加わる衝撃と、その結果起こる鞭打ち損傷は一般の方の想像以上に深刻な場合があるのです。
衝突という外部からの物理的ストレスによって鞭打ち損傷が起こり、頚椎にサブラクセーション(不整列)が発生して神経系の機能障害が起こることが問題なのですが、それは西洋医学の医師(MD)では診断できず、カイロプラクティック医師(DC)でなければ診断も治療もできません。
それ故に、ERなどで医師から「大きな問題は無いから鎮痛剤と筋弛緩剤で症状を緩和しておけば治まるでしょう」と経過観察にされた患者さんで、首の痛みだけでなく、サブラクセーションによって起こる眩暈(めまい)、頭痛、耳鳴り、目や鼻の異常、腕や手のしびれや痛み、背腰部痛、そして内科系異常すらを長期に亘って慢性的に訴えるケースが多数報告されています。交通事故によって鞭打ち症になって起こる症状は痛みだけではないのです。また、「Late
Effect」という、事故から数週間後や数ヶ月後になってじわじわと発症する症状もあります。
医学誌「Spine」に2000年と2003年に掲載されたRosenfeld医師らの研究では、「鎮痛剤など標準的な治療より、アクティブな治療の方が鞭打ち症の痛みに効果がある、そして早期に治療を開始した方がより治療成績が良い」と報告しています。
Dalhousie大学教授のShaw博士の研究でも、「27本の論文を再検証した結果、基本的な根拠として、カイロプラクティックが、頚椎可動域の改善や痛みなど、交通事故による鞭打ち症に関連する不調の調整に有効であることが示されている」と報告されています。
医学誌「Injury」に1996年に掲載されたWoodward医師らの研究では、「43%の鞭打ち症の患者が慢性的に症状に悩まされており、西洋医学には効果があると証明された治療法がない。しかし、カイロラクティックによって患者の93%が改善していた」と報告しています。
医学誌「The Journal of Orthopedic Medicine」に1999年に掲載されたKhan医師らの研究で、「交通事故の鞭打ちによる損傷は一般的だが、その慢性症例において効果があると証明された唯一の治療法はカイロプラクティックである」と報告しています。
こういった根拠から、交通事故に巻き込まれたら出来るだけ早くカイロプラクティック医師の診療を受ける。また、過去に交通事故の経験があるがカイロプラクティックの診療を受けたことが無いという人も、後遺症など問題がないかを確認する意味でカイロプラクティック医師に受診することが勧められます。