医学誌「米科学アカデミー紀要(PNAS)」に2018年1月8日に掲載された、コペンハーゲン大学助教授David
Mobjerg Kristensen, 博士らの研究で、「市販の鎮痛薬の成分イブプロフェンと男性不妊に関連性が認められた」と報告しています。
この研究では、18〜35歳の男性31人を被験者として、対象群の14人には多くのスポーツ選手が1日に服用する量に相当する600mgのイブプロフェンを1日2回服用させ、比較群の17人には偽薬を服用させました。
その結果、イブプロフェンを服用した男性は14日以内に、下垂体から分泌され睾丸を刺激して男性ホルモンのテストステロンを生成する黄体形成ホルモンが、血中を巡回するイブプロフェンの濃度と同調するようになり、同時に黄体形成ホルモンに対するテストステロンの割合が減少する睾丸機能不全の兆候が確認されました。
このホルモンバランスの攪乱は、生殖障害や鬱、心血管系疾患のリスク上昇に関係する症状を引き起こしていたことも判明しています。
元々、このフランスとデンマークの研究チームは、市販の鎮痛薬の成分として一般的に使われているアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンの3薬品について、妊婦が服用した場合の影響を調べており、その研究では、3薬品とも男の赤ちゃんの睾丸に影響を及ぼすことが判明しています。
そこで研究チームは成人男性への影響についても研究に乗り出し、特に、3種類の中で最も強い影響が確認されたイブプロフェンに重点を絞った今回の研究を実施しました。
以前にも、医学誌「Canadian Medical Association
Journal」オンライン版に2011年9月6日に掲載された、モントリオール大学薬学教授のAnick
Berard 博士の研究で、「妊娠初期の女性が、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を使用すると、流産リスクが増大する」と報告しています。
風邪薬や鎮痛薬に含まれているイブプロフェンが、実は妊活の大敵だったということです。 安易に薬に頼らず、カイロプラクティックや鍼灸で健康管理をすることが安全で安心、妊活にも有効ということですね。