医学誌「Annals of Internal Medicine」電子版に2016年9月12日掲載された、中国医学科学院のJia
(Marie) Liu, MD, PhDの研究で、「電気鍼治療(低周波置鍼療法)によって重度の便秘を緩和できる」と報告されています。
この研究は、慢性的かつ重症の機能性便秘(内科疾患や薬剤などの原因がなく、排便回数が週2回以下の便秘)の患者1,075人を被験者とし、無作為に2群
に分け、鍼治療群は腹壁の筋層に鍼を刺す治療を、比較群は鍼治療では効果がないと考えられている位置に浅く鍼を刺す「偽治療」を、それぞれ中国の15ヶ所
の病院で、鍼師が1回30分、8週間の期間中28回実施した。
その結果、8週間の治療期間中、電気鍼治療群の31%に平均週3回以上の便通がみられたのに対し、比較群で同レベルの便通が得られたのは12%であることが判明。また、12週の追跡期間中には、電気鍼治療群では約38%が平均週3回以上の便通があると報告したのに対し、比較群では14%と、電気鍼治療の効果は、治療後も良好に持続することも判りました。
Liu博士は、「電気鍼療法には優れた持続的効果があると思われる。或いは、効果が十分に表れるまでに8週間以上の時間を要する可能性もある」と鍼治療の効果が治療後も続く理由を述べています。