医学誌「Environmental Health Perspectives」 オンライン版に2011年4月27日に掲載された、米国・Seattle
Children's Research InstituteのSheela
Sathyanarayana医師らの研究で、「妊娠中の女性の尿中のビスフェノールA濃度と、生まれた赤ちゃんの神経行動学的な異常に相関性がある可能性」が報告されました。
この研究では、妊婦の生活行動・食生活パターンと、出生後の赤ちゃんを継続的に調査し、データを分析しました。 その結果、妊娠27週目の尿中のビスフェノールAの濃度が非常に高い妊婦から生まれた赤ちゃんは、出生時には正常だったが、生後一ヶ月では筋緊張、振戦(ふるえ)、異常運動が認められました。
この母親の妊娠中の食行動を精査すると、缶詰の食品と飲料を常食すると同時に、プラスチック製品に貯蔵し、冷蔵した食べ物を電子レンジで温めて食べる機会が非常に多かったことが判明しました。 この食生活は缶詰の内部のシールやプラスチック製品が加熱されることなどビスフェノールAが口に入る可能性が非常に高いものです。
ビスフェノールAという科学物質はポリカーボネートや、エポキシ樹脂など、合成樹脂・プラスチック製品に含まれる物質で、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の1つとして知られています。
研究チームは、「妊婦は可能なかぎり缶詰を食べず、プラスチック製品に食品を貯蔵しないよう、またそれを電子レンジで温めて食べたりしないようにして欲しい」と述べています。