昔からお母さんは、赤ちゃんの便を見て体調を知る手がかりにしてきました。便の色や、硬いか軟らかいかなどの状態を見ることで、大人でも自分の身体の状態を知ることが出来ます。
一般的に、食物を食べてから便になって排泄されるまで、約24時間から72時間とされていますから、便を見ることで大体3日間の体調や食生活をチェックできることになります。
チェックするのは@便の色と、A便の状態(硬・軟・水様・タール状)などです。便の色は胆汁から出るビリルビンが腸内の大腸菌によって還元されてステルコビリンになった、その色と食物カスの色です。 腸内がアルカリ性のときは褐色、中性のときは黄褐色、酸性のときは橦黄色になります。
次に、便の色と、状態から予想される問題を紹介します。
1.黄褐色・茶色の便 | ||
正常・・・ | 便の状態はバナナ状で理想的 | |
異常・・・ | 水様状の便は、お腹を冷やしたか、消化不良などが原因 |
2.灰白色の便 | ||
正常・・・ |
牛乳やホワイトチーズ、脂肪を取りすぎた時、胃の検査の為のバリウムを飲んだ時、胃薬や下痢止めを飲んだ時など | |
異常・・・ | 上記に該当しない場合は、黄疸・ 総疸管閉塞・ 消化吸収障害など |
3.緑色の便 | ||
正常・・・ |
緑黄色野菜を食べ過ぎた時、緑色の胃腸薬を飲み過ぎた時、赤ちゃんの便など | |
異常・・・ |
上記に該当しない場合は、食中毒で急性腸炎を起こしている時、溶血性黄疸など |
4.赤色の便 | ||
正常・・・ | 人参などの赤い食品を食べ過ぎた時 | |
異常・・・ |
水様状の便は、食中毒、潰瘍性大腸炎、赤痢。 軟便・普通便では大腸癌。 硬便では痔や直腸癌など |
5.黒色の便 | ||
正常・・・ |
正常:下痢止め薬、鉄剤、抗生物質を飲んだ時、肉類を食べ過ぎた時、バナナ、柿などを食べ過ぎた時など | |
異常・・・ |
水様便、タール状、生臭いがする時は、食道、十二指腸、小腸などから出血がある場合や、胃癌など |
6.その他のチェックポイント | ||
量・・・ |
平均的な便は約200〜400gと、大きいバナナ1〜2本位で、一般に一日に一度、便通があります。 | |
匂い・・・ |
主な匂いのもとは、タンパク質トリプトファンを分解したインドール、スカトールという物質です。 肉食の便ほど匂いが強くなります。 又、匂いの強いニンニク、ネギなどを多く食べると、その匂いが混じります。 | |
硬さ・・・ |
半練り状。 水分が75%、食べ物の残りカスである脂肪4%、無機物3.5%、繊維類2%、全窒素1〜2%、そしてビフィズス菌、大腸菌などの腸内細菌、微生物が10%くらいの成分比率が理想とされています。 |
毎日の観察によって、身体の状態を把握し、異常を早期に発見出来ることも期待できます。また、便の状態によって、食生活を調整する指針とすることの参考にもなります。
1回位の異常な色や状態でショックを受け動揺する必要はありませんが、異常とされる色や状態の便が続くようなら、医師の診察を受けることをお勧めします。
また、身体の調整機能の中心である神経系の正常な機能が健康維持には重要です。カイロプラクティック医師による診察で神経筋骨格系のチェックを受けることもお勧めです。