|
今月も、パーティーなどで役立つ(であろう)アペタイザーの王様、「チーズを知ろう」という事で、今回のホクホクでは、様々なチーズのうんちくやおもしろチーズなどをご紹介していきましょう。香りの強いものから、色がすごいもの、まろやかな風味のものから、レアな一口まで、さぁ、これであなたも、パーティー会場でのアメリカ人との“ちょっとした会話”が怖くなくなります。
調べたところによりますと、世界中で食べられているチーズの種類は実は1000以上という事で、全てを熟知するのは至難の業。いわゆるホームパーティーなどで、クラッカーやナッツと一緒に出てくるチーズは、その製造方法によって大きく二つにわけられますが、それが「ナチュラル・チーズ(原料の乳に、酸や酵素を加えてから、発酵・熟成のみをする)」と「プロセス・チーズ(ナチュラルチーズを砕き、加熱してから成形しなおす)」
。筆者的には“おしゃれなチーズやレストランで出て来る高級物はナチュラルチーズ、家でパンに挟んで、子供のお弁当になるのはプロセスチーズ”という、勝手な見解があります。
さて、ナチュラルチーズはさらに7つのカテゴリーにわけられるそうで、
●
フレッシュチーズ
● セミハードチーズ
● ハードチーズ
● ホワイトチーズ(白カビ)
● ブルーチーズ(青カビ)
● ウォッシュチーズ
● シェーブルチーズ
となります。
ねぇ、もうすでに「チーズ通」な気分になってきていませんか?“あぁ、これはウォッシュチーズの一つだね、この中身のクリーミーさと皮の部分の強い香りのギャップがいいよね“なーんて、言ってみちゃってください。
では、上記の7つを詳しくご紹介していくことにします。
● フレッシュチーズ
まず「フレッシュチーズ」ですが、ようは熟成させないチーズです。原料となる乳に、乳酸菌などを入れた後、固めるために脱水した状態のまま口にしますので、柔らかく、クセもなく、多くの方に食べやすいチーズ。子供も好きなモッツアレラや、クリームチーズ、デザートやラザニアにも使われるマスカルポーネなどがその例です。
● セミハードチーズ
「セミハードチーズ」は、フレッシュチーズの状態から、1ヶ月から1年以内の期間を使って“熟成”させたもの。弾力性は出ますが、食べにくい硬さではなく、味わいも深めになってきますので、スライスなどしやすく。一般的に好まれる“ご家庭の冷蔵庫でよくみかける”チーズの種類。ゴーダー、チェダー、モントレージャック、コルビー、という名前のものがあがりますが、ハンバーガーに挟んだり、サラダのトッピングになったり、かなりの万能選手達。プロセスチーズとして利用されることも多いのがこのセミハードの類。
● ハードチーズ
ハードチーズはどうでしょう?“セミハードより、もっと水分を抜いて熟成させてるんじゃない?”とおっしゃったあなた、その通り!会話がすすみますね。こちらのチーズは30%近くまで水分を少なくしているので、かなり固く、さらに熟成期間も長いものが多い。一口くちに入れただけではわかりにくい、渋いコクと深い味わいがあり、また舌の上で徐々に広がっていく旨みが人気のチーズ。削った形で楽しまれる、イタリアチーズの王様、とも呼ばれるパルミジャーノ・レッジアーノ(イタリアでは、貨幣としても扱われるくらい)、オレンジ色のからすみにモニタ味わいのミモレット、穴の空いた(これは発酵のとき発生する気泡)エメンタール、チーズフォンヂュの材料となるエメンタール、アルプスの少女ハイジが溶かして食べていたラクレット、ドン・キホーテも大好きだったスペインチーズ、はちみつと相性のいいマンチェゴ、赤玉チーズのエダム、ワインと最高の相性と言われる、塩辛いペコリーノ・ロマーノ、などハードチーズはなかなかおもしろい。
● ホワイトチーズ(白カビ)/ブルーチーズ(青カビ)
「白カビチーズ」「青カビチーズ」は、見た目でわかりやすい種類。そう、カビが生えているのです。白カビは表面外側、青カビは内側、カマンベールやブリーなどの白カビタイプは、パーティーのテーブルにもよく見かけますが、ムッチリとした舌触りと上品な味わいで人気。白カビチーズはフルーツとの相性もよろしいようです。青カビはゴルゴンゾーラやロックフォール、そしてエリザベス女王御用達のスティルトンなどが挙げられます。鍾乳洞のような大理石のような見た目、その独特な味わいは食べる人を選ぶ、と言われていますが、好きになったらもう虜。甘めのお酒ととってもよく合うようで、“大人な刺激”を楽しめます。
● ウォッシュチーズ
「ウオッシュチーズ」は洗う、という行程が行われるチーズ。熟成のときに、塩水や蒸留酒などを使って表面を洗います。独特な個性的な味わいのあるモンドール、ブランデーと塩水で洗い、中身はかなりトロトロ状態のエポワス、モチモチ感がたまらないポン・レベック、“イギリス人の足”という意味のピエ・ダングロワ、シャンパンやマール酒を注ぎ込んで作られた“黄色い脳みそ”のように見えるラングル、どれも「知ってると格好いい」チーズ達。
● シェーブルチーズ
最後に「シューブルチーズ」をご紹介。シューブルとは、仏語でヤギという意味、つまり、原料にヤギの乳が使われています。牛の乳を使ったチーズよりも更に歴史があるのがこれ。若干酸味が強く、筒のような形をしたスプレッドにもなるサント・モール、“馬の糞”の意味もあるクロタンは、確かに見た目は名前の由来が察しできますが、味わいはこの上なく美味しい。栗のような食感、熟成度によってソフトなものから堅いものまで、様々なクロタンが出回っているようです。
|