|
日本で30年くらい前に放映していた『世界の結婚式』というテレビ番組を覚えている方、いらっしゃいますか?筆者は幼少期を日本で過ごしましたが、日曜日の朝になると、両親のベッドに潜り込んで『兼高かおる世界の旅』と『世界の結婚式』を見るのが大好きでした。各15分ほどの短い番組なんですが、見たことも聞いたこともない外国の街の様子を見ながら、子供心にワクワク・ドキドキしていたのを覚えています。今でも、兼高かおるさんは筆者の憧れの女性。彼女のように、偏見なく愛情豊かに世界の文化を受け入れられる国際人になりたい、と思っております。
さて、6月といえばJune Bride。「6月に結婚するカップルは幸せになれる!」という言い伝えから、6月中の結婚式場やホテルのボールルームの予約はいっぱい、スタッフは大忙し。なぜ6月?いろいろな説があるようですが、1)その昔農作業で忙しい人達は3月・4月・5月の忙しい時期に結婚することが許されなかったから、2)(ヨーロッパなどでは)お天気が一番いい時期だから、3)ギリシャの愛の神、JUNOの月だから、の3つが有力だそう。このJune
Brideという言い方、所変わってイタリアでもSposa Di Giugnoという言葉があり、まったく同じ意味。。日本でもこの6月の花嫁、一般的になっているようですが、実は日本での理由は「梅雨の時期でもお客さんを増やしたい」といもの。結婚式業界の方々がプロモーションとして西欧文化を輸入した、、、というわけですね。
今回のホクホクでは、世界の結婚式の面白い部分をご紹介。筆者が実際に体験し見てきたものもあれば、聞いたものもあり、、、中には、ギョッとするような儀式や、とってもマイナーなエリアでしか行わない不思議な伝統、なんてのもありますが、どちらにしても、家族や友達に祝福されて新しい門出を祝う、というおめでたい意味は世界共通。懐かしの『世界の結婚式』特番!な気持ちでご紹介していきたいと思います。
●韓国:ペベク
韓国では結婚式は西洋風でも、その後の伝統的な儀式『ペベク』に関しては、韓国の文化にのっとって行われるのだそう。このペベクは、お式の後に、家族だけで行われるもので、チマチョゴリの上にペベク用の服を着用して、式場に併設されている『ペベク室』なるもので始まり、公式な写真を撮ったあと、新郎の両親とカップルがテーブルを挟んで座り、栗とナツメを投げ入れる(たくさんの子供に授かるように、という意味)。この儀式を、兄弟や新婦の両親などと行ったあと、新郎は花嫁さんをおんぶして、ペベク室を1周(私があなたを養っていきますよ、という意味)。
●インド:歌、踊り、そして左足の指輪
インドの結婚式と聞いて思い浮かぶのは「何日もかかって、みんなが踊って、、、」はい、実はその通りデス。もちろん、その地方や宗教などで変わってきますが、基本的にインドの方々は結婚式に膨大な資産を費やす、のです。派手にデコレーションした宴会場で何百人もの参列者、象や馬、マーチングバンドも一緒にパレード入場、なんて普通です。伝統をこよなく愛するインド人、サンギートという儀式では、結納のお祝いも兼ねて、花嫁の手や足にヘナ(メヘンディ)を託します。何時間もかかるこの作業、花嫁さんはトイレにさえいけません。。。その間、参列者は食べたり、飲んだり、踊ったり、と過ごしますが、女性の参列者には手などに簡単なメヘンディを受ける人も。結婚式までの毎日、何かしらのプージャと呼ばれる儀式があり、お坊さん呼ばれてお祈りの会、その合間に、サリーやジュエリーの購入に走る結婚カップル。そうそう、インドでは既婚女性の指輪、これは手の左薬指ではなく、足の左指が一般的なようです。
●スウェーデン:誰でもキスをしていい?
割と頻繁にキスをする西欧の国、でも、結婚式の時に、まして新郎・新婦に向かって参列者がキスの嵐?ってなんだかびっくりしますよね?しかし、これがスウェーデンでは昔から行われている儀式、というか「おふざけ」なのだそう。
例えば、結婚式や披露宴の最中で、新郎がおトイレや談話のために席をたったとする。すると、どこからか”チンチン”とグラスを叩く音がし、それに合わせて、参列中の男性が一気に花嫁さんの周りに集まり、順番にキスをする(といっても、ほっぺにチュッ、程度ですが。そして同じように、新婦が席をたったときには、女性陣が集まってきてチュッ!まぁ、幸せいっぱいでいいのですが、一応暗黙の了解で、「元彼や元彼女は、このキスに参加してはいけない」のだそう。うーん、納得できる。。。
●ユダヤ教:グラスを割る
世界中に1200万人以上の信者がいると言われているユダヤ教。長い苦難の歴史、途方もない放浪を余儀なくされた人々のルーツ、など、なかなか他の宗教を信じる人たちには理解しにくい、人生への独特な見解もあるようです。そんな理由なのか、ユダヤ教徒の結婚式では、新郎&新婦がワインを飲んだあとに、そのグラスを床に叩きつけ、そして派手に音を鳴らして割る!さらにはグラスをふんずける!という儀式があります。日本の神式や、西洋の他の宗教では「静かな、厳かな、美しい」雰囲気が好まれる傾向にある結婚式。ユダヤ式では、あえて粉々になったグラスの破片と大きな音をだす、これには「人生の喜びと苦しみは紙一重。辛いことがあっても、夫婦で乗り切っていくように」と、あえて「完全ではない様子」を醸し出すのだそう。うーん、奥が深い、、、。
●フランス:キャベツのケーキ
グルメなお国、おフランスのウェディングケーキは、そりゃぁ素敵にデコレーションされたグルメなケーキなのだろうなぁ、と思ったら、大間違い。フランスの伝統的な結婚式用ケーキといえば「キャベツのケーキ」と呼ばれる、クロカンブッシュー(Croquembouche)。皆様、シュークリームはお好きですか?実は、このシューということが、キャベツの意味でして。クロカンブッシューは、小さなシュー(キャベツ)を木の形に積み上げて、落っこちないようにキャラメルや溶かしたお砂糖で固めたもの。クロカンブッシューとは、「カリカリ(という音)」「ゴツゴツ(した木)」といった感じの表現なのだそうです。ではなぜにキャベツ?おフランスでは、赤ちゃんはキャベツ畑からやってくると言われているから。子孫繁栄、家内安全、を願ったモチーフということですね。そういえば、何十年か前に、「Cabbage
Patch Babies」ってすごく流行った人形がありましたが、まだ売っているのでしょうか?
|