また必ずしも典型的な痛みではなく、みぞおちの不快感、前胸部不快感などで現れる事もあり、胃の症状、又は心臓の症状と間違えられる事もあります。診断は超音波検査がもっとも適切で、90%以上の患者さんに石が認められます。その他に、血液検査で、ビリルビンの上昇、肝機能の上昇などが見られる事もあります。腹部単純X線では石の1割ぐらいしか写らず、適当な検査ではありません。
さて胆石が見つかったらどうすればよいのでしょうか?大ざっぱに言うと、無症状の場合は経過観察、症状があれば胆嚢摘出手術となります。どの方が、胆石による症状をいずれ起こすかを予想するのは困難です。石の数、大きさ、年齢、性別など色々研究されましたが、明らかな結果は出ていません。無症状で手術を必要とするケースはかなり意見が別れてくるものです。理想的には、健康で、無症状な時に手術をする方が、高齢になったり、急性胆嚢炎,黄疸等の合併症を起こしたり、他の病気にかかっている時よりも安全です。但し、一生症状が出ない事の方が多いので、一般的には症状が出るまでは手術は行いません。ただし子供の場合、殆どの場合発作を起こすので、手術を行います。また、胆嚢が石灰化を呈している場合、胆嚢ガンの発生率が50%と上がる為、手術を行います。以前は胆嚢摘出術は開腹手術で行われていましたが、現在は腹腔鏡(約1cm大の傷を数箇所)で殆どの場合摘出が可能です。この場合、手術自体も約1時間と短時間で済み、痛みも少ないので、回復期間もとても短くなっています。アメリカでは場合によっては日帰り、又は次の日に退院が可能です。1週間後には仕事も復帰可能です。
また、手術以外での治療法として、胆石溶解剤の服用、胆石破砕法などは日本では行われているところもありますが、再発率が非常に高いことや、またごく一部の場合しか効果がないなどの理由から、米国ではまず行われておりません。