皮膚癌は日本人の中では比較的少ない癌ですが、近年増加の傾向にあります。皮膚の癌は内蔵の癌と違い、皮膚の表面に発生するので、早期に診断、治療を受けることが出来ます。しかし、治療の時期を逃すと、内臓癌と同じように、全身に転移するため、予後はよくありません。皮膚癌の中でもっとも悪性の物がメラノーマです。これを良性の物と区別するには最終的には生検検査が必要となりますが、次のことが当てはまる場合には要注意です。
1)黒、紫、茶色など色が混ざっている場合
2)ふちがはっきりしていない場合、
3)ほくろが急に大きくなり出す場合
4)直径が6mm以上ある場合。
白人の場合、胸や背中に出来ることが多いのですが、日本人の場合は、手のひら、足の裏に出来ることが多いので、お風呂に入ったときなど見る習慣を付けるとよいでしょう。
皮膚癌の出来やすい人には次のようなことが多く見られます。家族の中で皮膚癌になったことがある人がいる、日焼けすると赤くなることが多い、大人になってから出来たほくろがある、数えきれないほどのほくろがある、特に5mm以上のほくろ、痛むほくろ、かゆいほくろがあるなどです。メラノーマは放置しておくと、どんどん深く発展し、転移もしてしまいます。まだ転移せず、癌の深さが0.76mm以下の場合、5年生存率は96?99%と良いのですが、4mmを越すと、50%以下とどんどん予後が悪くなります。リンパ腺へ転移すると、30%以下です。
皮膚癌を予防することは難しいことですが、日焼けと皮膚癌の関連性ははっきりと証明されています。上手に焼けず、赤くなる人は要注意です。外に出るときは日焼け止めクリームを塗るよう心がけてください。また不審なほくろのような物が出来た場合は待たずにすぐ診察を受けて下さい。待てば待つほど予後が悪くなります。
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