脂肪腫は体に出来るやわらかいこぶのような物です。特に害はありませんが、気になっている方も多いでしょう。
■脂肪腫とは?
脂肪腫は皮膚のすぐ内側(皮下脂肪内、筋肉内)に出来る良性の脂肪細胞のかたまり(腫瘍)です。この腫瘍は繊維質の袋に包まれて出来ている事が一般的です。脂肪腫は体のどこにでも出来ますが、頻繁に起こる場所は胴体、首、太腿、上腕、脇等です。また、複数の脂肪腫が同時に出来る事も可能です。脂肪腫は皮下組織で一番頻繁に起こる良性腫瘍です。
■原因は?
脂肪腫が出来る原因は不明です。現在分かっている事はある程度の遺伝性は見られます。また、外傷等がきっかけとなって出来るケースも見られます。また、脂肪のかたまりなので、肥満と関連性があると思われがちですが、実際は関係ありません。
■症状、特徴は?
脂肪腫は1〜3cm大の物が多く、皮膚の内側に簡単に触れられます。殆どの物が簡単に動かせるもので(一部の筋肉内に出来ているものを除く)、やわらかくゴム状のような感触で触れられます。痛み、かゆみ等の症状は無く、長年同じ大きさで残るか、ゆっくりと成長する事もあります。残念ながら一度出来ると自然に消える事はまずありません。一番気になる症状は大きくなった場合、目立つ場所にあると気になるという事です。
■診断法は?
殆どの場合は診察だけで診断が付く簡単な物です。触感に疑問があったり、変わった場所に出来ている場合はその他の種類の腫瘍である疑いも出てきますので、スキャン、MRIなどの画像診断をする事もあります。それでもまだはっきりしない場合は確定診断のために、直接切除をし、検査をする必要がありますが、ごく一部のケースのみです。
■治療法は?
脂肪腫が出来るとまず心配する事が、癌ではないか、または癌になるのではないかと言う事だと思います。幸い脂肪腫は癌になることはありません。ですから、治療をするしないは本人の自由です。(診断が疑問な場合を除く)。また、脂肪腫の予防法は特に無く、また成長を妨げる方法も特にありません。唯一の治療法は外科的切除のみです。
■切除した方が良い場合は: