今月は女性に多い病気の一つ、膀胱炎についてです。軽く思われがちですが、症状はかなり気になるものです。
女性では、統計によると5人に1人の割合で生涯に一度は膀胱炎にかかります。場合によっては、子供、男性にもみられることがあります。米国では、風邪、腰痛に次いで受診する理由の多い病気です。
健康な状態では、尿には水分、電解質などが含まれており、細菌、ウィルス、真菌などの微生物は含まれておりません。微生物(大腸菌がもっとも多い)が尿道から進入すると、膀胱炎がおこります。大腸菌は誰もが持っている菌なので、予防はなかなか困難です。それ以外にも、性行為、尿路結石、前立腺肥大症(男性の場合)等も原因となることがあります。一般に、一度膀胱炎にかかると、再発を繰り返す例が多いようです。
症状としては、無症状の場合も稀にありますが、大抵は何かおかしいと気付きます。
多い症状は、頻尿、残尿感、排尿痛、灼熱感、下腹部痛。時には、血尿、節々の痛み、吐き気、発熱、悪寒等が起こることもあります。このような症状が現れたら、我慢せずに早めに受診して下さい。放置しておくと、悪化し、腎盂腎炎(腎臓の感染)になり、入院が必要になることもあります。
診断は簡単で、尿検査をすればその場で分かります。頻発したり、回復が遅い場合は、尿の培養検査をする必要があります。原因不明な場合は、レントゲン、超音波、膀胱鏡検査などを行いますが、これはほんのごく一部の場合のみです。
治療は抗生物質服用です。薬の選択と治療期間は、病歴及び検査結果等を考慮して決定します。大体2-3日で症状は改善されますが、途中で薬の服用をやめると、再発しやすいので、必ず指示に従って下さい。痛みが強い場合は尿道の炎症を抑え、痛みを軽くする薬もありますので、一緒に服用するといいでしょう。また水分を沢山取ることも大切です。1日、1-2リットルの水分を取るようにして下さい。また、コーヒー、アルコール類は避けた方がよいでしょう。
膀胱炎を出来る限り予防するには下記の事に注意して下さい。