先日、妹の住んでいるカリフォルニアに子供達と遊びに行ってきました。カリフォルニアの太陽を浴びるぞ!と張り切っていましたが、その週に限ってシカゴの方が暑かったようです。でも仕事から離れ、遊びに集中し、楽しいサマーバケーションとなりました。皆さんも、この夏のバケーションの計画は立てていますか?
今月の“アサコ先生にちょっと聞いてみよう!”のコーナーでは毎月読者の方々からたくさんのご質問を受ける中、「バケーション」について取り上げてみました。
読者Sさんからの質問:駐在員として2年前にシカゴへ来ました。家族から最近、仕事に没頭しすぎて、全く家族への時間を作ってくれない!と言われています。恥ずかしながらその様に家族に言われるまで自分の生活は仕事一色だなどと思っていませんでした。今回、自分の生活態度を改めてみてみると、本当にその通りで家族には申し訳なく思います。でも仕事も忙しく、長期間のバケーションを取る事でかえって、仕事が増えていくのではないか?と不安になります。自分自身、仕事が忙しすぎて、ストレスが溜まってきているのは正直なところです。そしてこの2年間全くと言っていい程バケーションを取っていない事もやばいかな?と思うのです。
Sさんと同じような悩みを抱えている人は多くいるのではないでしょうか? 忙しいのが当たり前になっていたり、さらには、忙しい毎日を我慢して過ごす自分は、忍耐力もあり、すばらしい。と思っていませんか?
仕事が忙しければ忙しい程自分の時間を取る事も難しくなるでしょう。そしてSさんの様に家族に言われるまで、家族サービスをする事すら忘れていたと言う事もありえるのでは?
アメリカ人と日本人では、バケーションを取る事への意識が違うと感じる事があります。アメリカ人は「有給休暇を取って当たり前」、「毎日がんばって仕事をしているのだから、バケーションを取ってうっぷんをはらして新たにバケーション後は仕事に集中する」というスタンスです。日本人はどちらかと言うと「有給休暇を取る事はあまり良くない・周囲に申し訳ない」などのスタンスの様に思えます。
しかし、人間はずっと休まずに突っ走ることは無理な動物です。無理して走りすぎては、倒れてしまいます。ある意味、人間は自動車のようなものです。定期的にガソリンを入れ、メインテナンスをすることで、自動車の寿命を長持ちさせることができます。人間も、適度に休んだり、エネルギーを蓄え直すことで元気に走り続けることができます。
あまりに仕事に没頭していると、自分が疲れているとか、ストレスを抱えていると言う事さえ忘れてしまう事があります。気がついたときには、体がSOSを出して、健康に害を及ぼす恐れもあります。体がだるくなる、おっくうがる、めまい、頭痛、胃痛、吐き気、パニック、不安、心配ごとが多くなる、アルコールの量が増える、睡眠障害などの症状や、うつや不安障害といったものもまれではありません。仕事が忙しくて休みを取る時間なんてない!
家族や周囲はわかっていない!と思うかもしれません。でもバケーションを上手にとって、気分転換を図ってこそ、仕事の効率があがり、健康を維持し、家族とのコミュニケーションも上手に図れるようになるのではないでしょうか?
Sさんの様に長期間のバケーションはちょっと心配という事であれば、まずは休む事になれるために、近場の1〜2泊旅行から始めてみてもよいでしょう。日帰りで、ビーチやダウンタウンへのお出かけでもいいかもしれません。そして、その時には、意識して仕事を忘れ、バケーションを楽しむことが大切です。最近では、携帯でどこにいてもメールのチェックが出来てしまいますが、バケーション先で仕事のことを考えていては、気分転換になりませんし、一緒にいる家族も喜びません。休みを満喫し、家族と向き合うことでストレスも解消されリラックスできます。もっと、仕事以外の人生も楽しみましょう。この夏、読者の皆様が、家族やお友達との良い時間をたくさん過ごして、秋からまた仕事に勉強に励むことが出来るといいですね。
これからもどんどんとご質問・ご希望などをお気軽にお寄せください。
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マインドフルプロフェッショナルカウンセリング
保市麻子