話題性のあるレストランが立ち並ぶWicker ParkエリアのDivision Street沿いに、今回ご紹介するタイレストラン「Silli Kori」はあります。店内はレンガ造りの壁と温かみのある木の家具が落ち着いた感じで、バーエリアに置いてある生け花やテーブルの上の１輪挿しが、ナチュラルでアットホームな居心地のよさを感じさせます。また、暗めに落とした照明の中に浮かび上がる、レンガ壁に描かれたオーナーのKoriさんのイラストがエキゾチックでユニークな印象です。

　このお店ではオーセンティックなタイ料理というよりも、独自のひねりを加えたオリジナルな料理が自慢です。最初にStartersから選んだMoo Pingは、シラントロやニンニク、フィッシュソース、それに醤油などに合わせたタレに豚肉を漬け込んで、グリルした串焼き料理です。下味のついたお肉は驚くほど柔らかく、とってもジューシーで、独特のスパイスと甘みがお肉の旨みを引き出しています。グリルの香ばしいかおりが食欲をどんどん掻き立てるので、ビールにもご飯にもよく合います。

Entreesからはタイ風カレーうどんともいえるKao SoiとSon In Law Eggsという丼を頼みました。Kao Soiはココナツの風味が漂うタイカレーに中太のエッグヌードルが入っています。しっかりと煮込んだカレーにはホロホロと柔らかい牛肉の他に、カリカリに揚げたエッグヌードルとシラントロ、ライム、それに高菜がのっているので、食感や味のハーモニーがトッピング次第で広がります。もう一つのSon In Law Eggsはタイ米の上に揚げたゆで卵とシラントロ、それにスパイシーバジルビーフが綺麗に並べられていて、その彩りや具の取り合わせはまるで日本の三食丼のようです。ピリッと甘辛いお肉がとにかくご飯とピッタリで、シラントロの香味がさらにエスニック感をアップさせています。今回はあえてサイドに添えてもらいましたが、通常はSweet Tamarind Sauceが丼の上にかけられています。どちらのお料理もアメリカのレストランにしては量が控えめな印象ですが、取材班にはちょうどよいボリュームでした。

デザートはお店の人がお勧めする手づくりのCarrot Cakeを頼みました。ケーキはほんのりと温められているのが好印象でしたが、アイシングが大量にのっているのでちょっと甘すぎる感がありました。デザートメニューにはこの他にCheesecakeがありました。

「Silli Kori」ならではのオリジナル料理は、タイらしい独特の味付けの中にも、どこか和を感じさせるような懐かしいテイストにまとまっていたので、どれも食べやすくて親しみやすいように感じました。ただ、メニューを見ただけではイメージしにくいお料理もあったので、あらかじめホームページなどでお料理の写真をチェックしておくとよさそうです。

(05/15/2017)

醤油ベースのタレに漬け込んで焼いたMoo Pingは、お肉が柔らかくてジューシー。	タイ風カレーうどんともいえるKao Soiは多様なトッピングで味や食感のハーモニーが広がります。	タイ米の上に揚げたゆで卵とシラントロ、スパイシーバジルビーフをのせたSon In Law Eggs。
Carrot Cakeはお店のお勧めでしたが、残念ながら大量のアイシングで甘すぎる印象。	暗めに落とした照明の中に浮かび上がるオーナーのKoriさんのイラストがエキゾチックです。	木製の家具やさらりと飾った生花がナチュラルでアットホームな居心地のよさを作り出しています。