今回はSchaumburg空港に隣接したレストラン・バー、｢Pilot Pete’s｣をご紹介します。このお店のポイントは、何といっても開放感のある飛行場の景色で、小型飛行機を間近で眺めたり、運がよければ飛行機の離着陸のシーンを見ながらの食事を楽しめます。また滑走路の奥にある線路では、時折メトラや貨物列車も横切るので、飛行機や鉄道などの乗り物が好きな子供や大人にはたまらないホットスポット。そんな魅惑的なビューに負けず劣らずお勧めなのが、元パイロットでもあるお店のオーナー、Peteさんによるオリジナル料理の数々です。ジャンルはアメリカンですが、どれもピートさんの家族や友人にまつわるストーリーや思い入れが詰まったレシピによるもので、地元の人はもちろん、飛行機にのってわざわざ食べにやってくる他州のお客さんも多いというほど、その味には定評があります。

定番メニューにはローストポークやポットロースト、ビーフストロガノフといったアメリカの家庭料理をはじめ、パスタやサンドイッチ、サラダまで色々とあり、その上、当日のスペシャル・メニューも毎日用意されているので、どれにするか本当に迷ってしまいます。とりあえず、バーガー類と当日のお勧めからそれぞれ1品、それにエントリーから2品をオーダーして、メインについてくるスープに、Cream of Broccoli & CheeseとChicken Noodle Soupを選びました。とろりと滑らかなクリーム・ブロッコリースープはチーズのコクがリッチですが、決して濃厚すぎない味加減で、お肉とパスタがたっぷり入ったチキンヌードルスープも、鶏のうまみがしっかりきいていて滑り出しからかなり好印象でした。

お店で不動の人気を誇るというバーガーには、プレーンなものとグルメなTexas Burgerの2種がありますが、どちらも10オンスのサーロイン・ビーフのパテを挟んだビッグバーガー！そんな巨大なお肉にハラペーニョジャック・チーズとベーコン、フライドオニオン、赤玉ねぎ、トマト、そしてレタスが山のようにのったテキサスバーガーは、大きすぎてかぶりつくのも一苦労…。でも大口をあけて頬張ると、肉汁とともにBBQソースのスモーキさと甘さが広がり、トッピングとの見事な一体感が味わえます。サイドにはフンワリと揚がったフライドポテトや小さなコールスローもついていて、バーガー専門店にも負けない味と量で文句なしのバーガーです。『当日のお勧めメニュー』から選んだLemon Butter Tilapia Platterは、こんがりと焼いたティラピアにレモンバター・ソースに絡めたもので、ふんわりとした身にほんのりと香るレモンが爽やか。ティラピア自体は味が控えめなので、酸味のあるイタリアン・ビネグレッドのドレッシングと風味のいいオリーブを散らしたサラダとあわせて食べるとちょうどよく、付け合せもたっぷりのフルーツでヘルシーな一品でした。エントリーメニューからはPete’s Pie Pan BakeとCoconut Grove Fried Shrimp Plateをオーダーしました。大きな白いベイクパンにのったPete’s Pieは、アイリッシュ料理のシェパードパイを少しひねったもので、自慢のポットローストの上に、ホースラディッシュ（西洋わさび）とガーリック入りのマッシュポテトがのっています。お肉はフォークでスッと切れてしまうほど柔らかく、滑らかな舌触りのマッシュポテトと共にスルッと口の中に入っていきます。ただ味が若干単調でボリュームはものすごいので、数人で分けて食べた方がいいかもしれません。ココナッツミルク入りの衣をつけて揚げた、ココナッツ・グローブ・シュリンプは、甘いマンゴー・ソースに浸して食べるトロピカルなディッシュ。大振りのエビの衣はやや厚めですが、食感はサックリと軽く、ココナッツの香りとマンゴーの甘酸っぱさのおかげであっさりと食べられます。サイドに選んだベイクド・スイートポテトには、シナモン・ブラウンシュガーのバターが添えられているのですが、これがほんのり甘いお芋にピッタリで、はまってしまいました。Shrimp Platterには、これ以外に極秘レシピの衣とカクテルソースを使った別バージョンもあるそうなので、興味のある方はそちらもお試しください。

デザートには、当日のスペシャル・メニューからChocolate Lava Cakeと、定番メニューからJavier’s Cheesecake Fritaを頼みました。フワフワのチョコレート・ケーキに、チョコソースとバニラアイスを組み合わせたラヴァ・ケーキは、とにかくケーキ生地の程よい甘さとしっとりとした軽さがよいので、またリピートしたいと思わせます。チーズケーキ・フリッタはチーズケーキをトルティーヤで包んで揚げたもので、上にはシナモンシュガーとアイスクリーム、それにまたキャラルソースがタラリとかけられています。トルティーヤの生地がちょっと固くて食べにくいのが難でしたが、半溶けになったチーズケーキがミルキーなクリームのようでとっても美味しかったです。

カリブ海をイメージしたような店内は、カラフルな模型の飛行機や旧型のグライダーがあちこちに飾られ、ウェイティングエリアの椅子には、昔の航空機の座席がわれるなど、インテリアもまさに飛行機づくし。出窓のある大きな個室は貸切ることができるので、子供のバースデー・パーティなどのイベントが行われたりしています。毎日、朝の1時までと遅くまでオープンしていて、ドメスティック・ビールに加えて、シカゴエリアの地ビールやWarrenvilleにあるブルーワリーのハンドクラフト・ビールも取り扱っているので、美味しいビールを飲みに出かけるバーとしての利用もお勧めです。

(05/13/2013)

メインについてくるサイドスープ、Cream of Broccoli & Cheeseはとってもクリーミーでした。	こちらは鶏のうまみがしっかりきいたChicken Noodle Soup。	10オンスのサーロイン・ビーフを使ったバーガーはお店の人気メニューの1つです。
当日のオススメ・メニューのLemon Butter Tilapia Platterはヘルシーな内容でした。	シェパードパイを少しひねったPete's Pie Pan Bakeは大きなベイクドパンにのってきます。	ポテトの下には、お店の自慢のポットローストがたっぷりとはいっています！
甘〜いマンゴー・ソースにディップして食べる、Coconut Grove Fried Shrimp Plate。	Chocolate Lava Cakeはモイストで軽いスポンジに思わずうっとり。	Javier’s Cheesecake Fritaは、チーズケーキをトルティーヤで包んで揚げたユニークなデザート。
開放感のあるお店の中心にはフルバーがあります。	そのバーの周りを囲むようにあるダイニングエリア。	天井を見上げると、色とりどりの模型飛行機がぶらさがっています。
待合エリアのシートには、昔の航空機の座席が再利用されています。	シャンバーグ空港が一望できる、レストランからの眺め。