台湾人の友人から「シカゴ郊外で小籠包を食べるなら絶対にココ！」と勧めれれたのが、今回ご紹介する「Katy's　Dumplings」です。中華系の店舗が集まるWestmontの小さなストリップモールの奥にあるお店は、「K's　DUMPLING」というサインがあるだけの簡素な佇まいですが、訪れた週末の早めの夕方はすでにお客さんで一杯でした。つい最近改装したという店内は、黒塗りの壁にボウルスープをすするチャイナドレス姿の女の子の絵が大きく描かれていて、ポップな印象を与えています。

今回はCold Chinese House Special SnackからPork Ear in Hot SauceとBoiled Dumplingからお目当てのJuicy Steam Buns（小籠包）、ハンドメイドの麺を使ったNoodle SoupからBeef Noodle　SoupとDan-Dan Noodle、それにもう一品、Szechwan Cold Noodleをオーダーしました。冷蔵庫においてあるCold Chinese House Special Snackは、その日作ったものがなくなり次第終了となる数量限定アイテムでいくつかの種類があります。醤油でほんのり味付けしたミミガー（豚の耳の皮を使ったおつまみ）はコリコリとした食感が良く、そのままでも十分に美味しいのですが、一緒についてくる唐辛子の粗みじん切りやオイルベースのチリソースをつけると、思わずビールが飲みたくなります。噂のJuicy Steam Buns（小籠包）はサイズがちょうど食べやすい大きさで、1オーダーにつき8個入っています。中のスープをこぼさないように気をつけて取り出して、少し皮を破ってスープを飲むと濃厚なダシの味が広がります。肉あんも生姜と玉ねぎが効いていて、熱々のスープと一緒に頬張る瞬間はまさに「幸せ！」。確かに小籠包なら「Katy's」と言われるのも納得の美味しさでした。

もう一つの同店のシグネチャーメニューが、自家製麺を使ったヌードル類と聞いていたのですが、挽肉をトッピングしたDan-Dan Noodle（担々麺）は残念ながらスープにパンチがなくて、正直、ちょっと物足りなさを感じました。でも、Beef Noodle Soupはキレのある辛さとコクがあり、シアントロやネギの香味野菜が風味豊かな一品にまとめています。Szechwan Cold Noodleはスパイシーな挽き肉あんと千切りのキュウリをのせた冷麺で、こちらもなかなかの辛さ。麺自体にも花椒とラー油を使ったピリ辛ダレが和えてあるので、トッピングをしっかりと絡めて食べるのがお勧めです。ハンドメイドの手もみ麺は、かん水などを使わずに水や小麦粉などのシンプルな材料で作っているので、モチッというよりはボソッとした食感なのですが、懐かしさ覚える素朴な味わいは悪くありません。

中国北部の小さな村から何代にも渡って引き継がれてきたレシピを使っている「Katy's Dumplings」は、シカゴ郊外で伝統的な中華料理を気軽に味わえる貴重なお店の一つです。上記の他にも、ビールのおつまみにもなりそうなレアな内臓系を使ったメニューや、色んな種類の餃子や葱油餅、それにオレンジチキンや麻婆豆腐などのオーセンティックなお料理も揃っています。ちなみに店名の「Katy」というのは、オーナーの奥さんの名前のことだそうです。

(06/25/2018)

Pork Ear in Hot Sauce（醤油でほんのり味付けしたミミガー）はビールのアテにぴったり。	このお店のシグネチャーメニューのJuicy Steam Buns（小籠包）。	Dan-Dan Noodleは残念ながら味にパンチがなくてちょっとガッカリ。
スープにコクとキレのあるBeef Noodleは香味野菜が風味豊かに仕上げていてお勧め。	スパイシーな挽肉餡とキュウリをのせたSzechwan Cold Noodleは結構スパイシー。	つい最近、改装したばかりというポップな印象の店内。