アップタウンのアジア街のはずれにある「Jin Thai」は、ミシュランガイドに選ばれたこともある実力派のタイ・レストランです。こじんまりとした外観のお店の中には、黒木のテーブルやベンチ型の椅子がおかれ、統一された色で揃えた椅子のクッションやテーブル・マットが、シンプルながらも洗練された雰囲気つくりに一役かっています。

まずはアペタイザーにTaro WrapとChicken Noodle Soupをオーダーしました。きつね色に揚がったタロ・ラップは、刻んだピーナツが沢山入ったスイート・サワー・ソースをつけて頂きます。外側はさっくりしていて、中はもっちりした歯応えのタロイモは、よく揚がっていますが油っぽさは全くなく、タロの自然な甘さに甘酸っぱいソースがぴったり。コクのあるブロスに数種類の野菜と細いタイ・ヌードルがたっぷり入った絶品のチキン･ヌードル・スープは、シャキシャキとしたもやしとサラッとした米麺の相性がなんともいえません。トロけるように柔らかいチンゲン菜も入った熱〜いチキン・スープで、冷えた体もすっかり温まるようでした。サラダ・メニューからオーダーしたYum Woon Senは、野菜の鮮やかな色合いを生かした盛り付けの美しさと、ふわっと香るライムのかおりが食欲をそそります。プルンとした程よい弾力のある春雨や食感のよい野菜に、甘辛いドレッシングがよく絡んでいて大満足なサラダでした。

メインには、Hot Curry CatfishとSpicy Basilをオーダーしました。バジルの葉を山のように盛ったホット・カレー・フィッシュは、サックリとした衣のついたナマズのフライに、小振りの丸ナスやピーマン、ヤングコーンがゴロゴロと入ったボリュームのある一品。野菜は生の食感をわずかに残して火を通してあるので、皮付きのナスや太目に切ったピーマンの瑞々しさがいかされています。フンワリと柔らかい魚のフライには、甘さをおさえたタイ･カレーのソースがよく染みていて、ご飯がすすむ味わいでした。Spicy Basilも入っっている野菜の種類が豊富で、噛むとパリッとしたインゲンや丸のままのマッシュルームの食感が印象的。たっぷり入ったバジル・リーフの香りと、ピリ辛いガーリック・ソースがしっかり効いたお勧めのアントレーです。

食後に頼んだタイ・カスタードは、ココナッツとタロイモを使った２種類のカスタードを層にした、ほんのりと温かいデザート。口の中でふわっと溶けるような甘さが、特にスパイスのきいた食事のあとには、優しく染み渡るようでした。

市内の他のタイ･レストランと比べると若干割高ではあるものの、素材と味の良さを引き出した料理内容には、その値段の価値を感じます。タイ料理はお店によって料理の味つけがだいぶ違うようですが、「Jin Thai」は甘味を抑えたものが多いように感じました。月曜日から金曜日のお昼にやっている、アペタイザ付きのランチ・スペシャルは、ボリュームとお得感があるので平日のランチにお勧め。上記では紹介しませんでしたが、タイ料理の定番Pad Thaiや卵麺を使ったKhao Soi、きし麺のように太い麺を使ったPad see-ewなどのヌードル・メニューも充実しているので、次回トライしたいところです。タイ人夫婦によるこの小さなレストランは、店員さんも終始にこやかでサービスも良く、アットホームな温かさに満ちています。ちなみにお店はBYOBなので、お好きなアルコール類があれば持参して、本格的なタイ料理と一緒に楽しんください。

（02/03/2014）

タロ芋の自然な甘さともっちりさを感じるTaro Wrapは、スイート・サワー・ソースをつけて頂きます。	コクのあるブロスに野菜とタイ・ヌードルがたっぷり入ったChicken Noodle Soupは絶品！	野菜の鮮やかな色合いと、ふわっと香るライムのかおりが食欲をそそるYum Woon Sen。
バジルの葉を山のように盛ったHot Curry Catfishはご飯がすすむ味わいです。	Spicy Basilは野菜の瑞々しい食感とピリ辛いガーリック・ソースが印象的。	ココナッツとタロイモの２種類のカスタードを層にしたタイ・カスタードは、ほんのりと温かいデザート。