市内のAlbany Parkエリアにある「Great Sea Chinese Restaurant」は、中国料理と韓国料理を織り交ぜたアジアン・フュージョンのお店です。間口が狭い上に道路から店内が見えないようになっているので、一見すると営業してるかどうかわかりにくいのですが、毎日ランチからディナーまでオープンしています。大きな岩で出来た外壁や木の扉が目印のお店は、昭和の香り漂うスナック喫茶を彷彿させる外装で、雑多な印象のLaurence Avenue周辺の雰囲気に見事に溶け込んでいます。店内には窓を覆うような観葉植物や、これぞ中国！といった家具が置かれているので、一瞬、ここは本当にアメリカと疑ってしまうような、異国情緒に溢れています。

まずは韓国人の友人が絶賛するHot and spicy chicken wingsを注文しました。これは店内にいた全てのお客さんが食べていたと言っても過言ではないくらいの一番人気メニューで、揚げた鶏肉に名古屋風の甘辛いタレが絡めてあります。てんこ盛りになったチキンはテーブルに置かれた瞬間に醤油と砂糖のいい匂いが漂い、口に入れると甘辛のソースがジュワーッと染み出してきます。チューリップ型に揚がったチキンは、とりわけお肉が柔らかいというわけではないのですが、とにかくソースのうまみが後引く美味しさで絶品。手がベトベトになるのも構わず、次から次へと食べてしまいました。ちなみにチキンを待っている間に、前菜としてカクテキと生の玉ねぎをカットしたもの、それにチュンジャンという黒味噌にカラメルを和えたものが出てきました。カクテキはかなり酸味が強い韓国人うけするものですが、玉ねぎにチュンジャンをつけて食べるとカラメルの甘みと玉ねぎの辛さが相まって、いい具合に食欲をかきたてられます。

メインに頼んだJambong (Red Sauce Noodle)は、唐辛子パウダー入りの真っ赤なスープに、炒めたきゅうりや玉ねぎ、ネギ、人参、豚肉、それに海老などがたっぷりのった韓国風のチャンポン麺です。炒めた具が薄味に仕上げてあるので、それぞれの素材の味が楽しめるだけでなくスープの旨味をさらに引き立てていて◎。麺にはあまりコシはありませんが、貝のダシがよく効いたスープの辛さがちょうどよく満足いく味わいです。次に前評判の高かったJajangmyung (Black Bean Noodles)をオーダーしました。麺が見えないくらいにどっぷりとソースがのったジャージャー麺は、スタッフが食べやすいようにハサミで切ってくれます。柔らかめの麺に玉ねぎと人参、チュンジャンで炒めた挽き肉入りの甘いソースの組み合わせは、給食で食べたようなどこか懐かしさを覚える味わい。単調な味つけに途中で飽きてきたら、前述した生玉ねぎを混ぜあわせて食べると、辛さと食感の幅が広がって二度楽しめます。
　
最後にFruit Smoothieのマンゴーをタピオカ入りで作ってもらいました。かなりシャバシャバした水気が多いタイプなので、スムージーというよりはスラッシーに近いように感じましたが、適度にさっぱりとしたマンゴーの風味がよく、濃い目の味付けが続いた後の口直しにはちょうどよかったです。

「Great Sea Chinese Restaurant」には、上記の他にも色々なお料理があるのですが、何といっても上記で紹介したHot and spicy chicken wingsはマスト・メニューといえそうです。取材中もこのウィングを店内だけでなくテイクアウトするお客さんがたくさん出入りしていたほどで、その人気の高さにはびっくりしました。ちなみにこのウィングは名前にスパイシーとありますが、辛さはほとんどなく甘みがあるので、子供受けもよさそうです。全般的なメニューはわかりやすい写真入りで、オーダーしやすいのもこのお店のポイントでした。それから食事代はカードでの支払いができますが、チップは現金のみでしか受付けていないのでご注意ください。（店内にはATMマシーンがおいてあります。）

(08/17/2015)

最初にカクテキと生玉ねぎ、それにチュンジャンという黒味噌とカラメルを和えたものが出てきます。	ここにきたら絶対はずせない、Hot and spicy chicken wingは絶品です！	懐かしい味わいのソースがどぷりのったJajangmyung (Black Bean Noodles)。
唐辛子パウダー入りのスープにたっぷりの野菜の海老がのったJambong (Red Sauce Noodle)。	Fruit Smoothieのマンゴーはシャバシャバとしていますが、濃いめの味付けの食後にぴったり。	異国情緒溢れる店内。