今回ご紹介する「Beatrix」は、ダウンタウンのGrand AvenueとClark Streetの角にあるAloft Hotel内という絶好のロケーションにあります。人々が気軽に集える場所をコンセプトにしたカフェレストランで、かのLettuceグループのテスト・キッチンで作られるようなフードメニューを提供しているのが特徴です。有名なレストランがひしめき合うエリアの中でもひと際スタイリッシュなAloftホテルの外装とは対照的に、「Beatrix」は自然な木彫をベースにしたシンプルなインテリア。窓際や店内に所狭しと置かれている観葉植物や、素材や色の違う椅子が置かれた店内は、コンテンポラリーながらも程よいコージー感があり、ナチュラルな感じがかえってハイセンスな印象を与えています。取材時は天候がよかったこともあり、お店はオープンカフェになっていました。そのため通常より店内が見渡せて、開放的な雰囲気と美味しい食事を楽しむお客さんの活気に満ちていたように感じました。

店内はレストランとカフェに分かれていて、レストラン・メニューにはBreakfastとLunch(土日はBrunch)、それにDinnerがあります。今回はディナーに訪れて、前菜にPotato Salad Deviled Eggsと、Crispy Kale Saladを頼みました。オーバル皿にちょこんと可愛らしい卵が3つのったデビルドエッグは、半分に切ったゆで卵の上にポテトサラダがのっています。トップに散らしたイタリアン・パセリやケッパー、セロリ、それに下に敷かれているディルの風味が効いたタルタルソースが、まろやかなポテトサラダにアクセントを効かせているので味に奥行があります。ケールサラダはレタスやケール、アルグラなどのグリーンに柿やデーツ、パンプキンシード、パルメジャーノチーズを混ぜあわせ、さっぱりとしたホワイトバルサミコ・ビネグレットドレッシングで和えられています。ケールはパリパリに揚げてあるので苦味が抑えられ海苔のようなクランチ―さがあるのがユニークで、デーツや柿の甘み、それにバルサミコの酸味などでハーモニ豊かな一品に仕上がっていました。
　
メインに頼んだChicken Bebeは、Miller Farmのオーガニックチキンをパルメザンチーズをたっぷり入れたパン粉で揚げたお料理。下にはレモンバターソースが敷いてあるので、チーズとバターソースでかなりコッテリとしていますが、付け合わせのローストしたアスパラガスが口直しによかったです。

　最後にOh My! Caramel Pieという面白い名前のデザートを注文。これはショートブレッドを砕いたクッキークラストの上に、キャラメルをそのまま柔らかくしたようなフィリングを詰めたパイで、とにかく甘いのですがキャラメルのコクが不思議と後を引きます。サイドに添えてある甘さ控えめなバニラ粒の入ったホイップクリームを付けると、濃厚なキャラメルに上品なまろやかさが加わりさらに美味しくいただけました。

Beatrixは厳選した素材をいかしたオリジナルなお料理が多いので、この他にも試してみたいメニューがいっぱいです。カジュアルな雰囲気やメニューから察するに、朝食やランチ(ブランチ)により向いているような感じを受けたので、次回はお昼前後に訪問してBraised Pot Roast & Egg SandwichやLight & Fluffy lemon pancakesにFresh-Squeezed Juiceを合わせてオーダーしてみたいと思いました。数々のベーカリーグッズを取りそろえたカフェも併設していますので、ダウンタウンでの観光やショッピングの合間の一息にもオススメのお店です。

（11/02/2015）

半分に切ったゆで卵の上にポテトサラダがのったPotato Salad Deviled Eggs。	パリパリに揚げたケールにデーツや柿を合わせたCrispy Kale Salad。	Chicken Bebeはたっぷりのチーズとバターソースでコッテリとしています。
柔らかいキャラメル・フィリングをクラストに詰めたOh My! Caramel Pieは、キャラメルのコクが後を引きます。	気取らないシンプルなインテリアが、かえってハイセンスな印象の店内。	お天気のよい日はガラス全面をあけたオープンカフェにもなります。