在シカゴ総領事館からのお知らせ
平成27年1月21日
20日、邦人2名の殺害を予告する内容の動画がインターネット上で配信され、日本政府は、人命第一の観点から、関係各国等と協力しつつ、事実関係に関する情報収集と当該邦人の早期解放に向けて最大限の努力を尽くしています。(下記資料1、2参照)
今回の事案の発生により、日本人がテロ・誘拐等のターゲットとして狙われることが改めて明らかになり、在留邦人の皆様もこれまで以上に不安な気持ちを持たれていることと思います。
当館としましても、安全対策連絡協議会を臨時に開催し、皆様と情報共有・意見交換の場を持つことを検討致しましたが、開催するまでに時間を要することから、本メールによるお知らせにすることと致しました。
1 シカゴ市は、以前より「イスラム国」等の過激派組織からテロの標的とされていたことから、もともと脅威度が高く、今回の事案によりシカゴ市やアメリカ全体へのテロに対する脅威度が更に高くなったとは考えられません。
2 一方で、今回の事案により日本人が世界中の注目を浴びたことにより、「イスラム国」に共感を抱く者等が、在留邦人を含めた日本人をテロの標的とする可能性が高くなったと言わざるを得ません。
3 現時点で、当館管轄区域の在留邦人を含めた日本人に対する具体的なテロ等の情報はありませんが、危険地域への渡航を避けるなど、自身がテロ・誘拐の標的となり得ることを十分認識して行動するように心がけてください。
4 本件に関し、ご質問・ご意見、また、不審な情報等がございましたら、些細なことでもかまいませんので当館までご連絡ください。
なお、本メールの内容について、日本人の方々で適宜情報を共有していただきますようお願い致します。
在シカゴ日本国総領事館
資料1 安倍総理の内外記者会見での発言(1月20日)【首相官邸ホームページ】
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www.kantei.go.jp]
資料2 邦人殺害予告事案に対する日本からのメッセージ(1月20日)【外務省ホームページ】
[
www.mofa.go.jp]
【全文】
本日(20日)15時前(日本時間),イスラム国を自称するテロ集団ISILによって発出されたとみられる動画がインターネット上で配信されました。同動画では,邦人とみられる者2名の殺害が予告されています。 仮にこれが事実であれば,このように人命を盾にとって脅迫することは,誠に許しがたく,強い憤りを覚えます。2人の日本人に危害を加えないよう,そして直ちに解放するよう強く要求します。 今般の安倍総理の中東訪問は,中東地域の安定に日本として積極的に貢献することを発信するためのものであり,日本が発表した2億ドルの支援は,人道支援やインフラ整備などの非軍事分野での支援です。 いずれにしても,我が国としてテロに屈することなく,国際社会によるテロとの闘いに貢献していくとの我が国の立場に変わりはありません。
資料3 海外で日本人が巻き込まれた主な誘拐・人質事件
1986年11月 フィリピンにおいて、商社支店長が武装グループに誘拐され、その後解放された。
1996年12月 ペルー日本大使公邸を左翼ゲリラが占拠。軍特殊部隊が突入し、人質1名が死亡。
1999年 8月 キルギスにおいて、日本人技師4名がイスラム武装勢力に誘拐され、その後解放された。
2001年 2月 コロンビアにおいて、現地日本法人副社長が左翼ゲリラに誘拐され、遺体で発見された。
2004年 4月 イラクにおいて、ボランティア活動家ら3名が武装勢力に誘拐され、その後解放された。
2004年 4月 イラクにおいて、ジャーナリスト2名が武装勢力に誘拐され、その後解放された。
2004年10月 イラクにおいて、旅行者1名が武装勢力に誘拐され、その後殺害された。
2010年 4月 アフガニスタンにおいて、ジャーナリスト1名が武装勢力に誘拐され、その後解放された。
2013年 1月 アルジェリアにおいて、ガス施設が武装勢力に襲撃され、日本人10名が死亡した。